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2012年2月20日 (月)

Webで読む対書対論@日経ビジネスオンライン

Hyoshi_2 日経ビジネスオンライン上の「Webで読む対書対論」という連載コーナーで、拙著『新しい労働社会』が、城繁幸氏の『たった1%の賃下げが99%を幸せにする』と並べて、対比列伝風に書評されています。これは、、『日経ビジネス』2月20日号に載っているもののようです。

1つのテーマにも様々な見方がある。このコラムでは、1つのテーマをめぐって対照的な考え方をまとめた2冊の本を紹介する。今回のテーマは「雇用」だ。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/book/20120216/227275/

見出しの文句で言えば、城氏が「まずはすべてをリセット」であるのに対して、わたくしは「非正規も守る労働者組織」を主張している、と整理されています。

著者の議論の出発点は、日本の雇用契約はメンバーシップ契約、という認識である。被雇用者は長期雇用・年功賃金・企業別組合をはじめとする独特の労務管理下に置かれてきた。ただし、「メンバー」になれるのは大企業の正社員のみ。中小企業の従業員ら、パートや派遣、契約といった膨大な数の非正規労働者らは蚊帳の外だ。

 そして今日、メンバー外の階層、特に非正規労働者の層が膨れ上がり、「貧困」が社会問題化している。正社員らも過重労働などで苦しんでいる。

 これからは賃金原資を再分配していかねばならない。そうするためには、すべての労働者の利益代表システムの確立が不可欠で、その基盤となり得る社会的存在は企業別組合だ、というのが著者の持論である。

 大企業正社員の既得権団体でもある企業別組合から、非正規労働者の利益も守る新しい労働者組織を構築していくことは容易ではない。しかし、賃金や労働条件のあり方は労使が集団的に妥協し合って決める。それが産業民主主義の基本原則で、労働問題の「正しさ」は上から押しつけるものではない。そう著者は断じる。

 200ページ余りの新書だが、国際比較や歴史考察が満載で話は緻密だ。人事関係者には必読の書と言える。

本書第4章の趣旨をよくまとめていただいていると思います。

(追記)

城氏のわたくしに対するつぶやき:

http://twitter.com/#!/joshigeyuki/status/171532021078831104

一つだけ言っておくと、企業別労組は男性正社員以外の利益を代表する気なんて1mgもないってことかな。ま、濱口センセイはよく分かってると思うが。:日本の雇用システムをどう立て直すか

実は半分くらいそういう気分もありますが、それ以外の登場人物(含む評論家)はことごとくそれよりはるかにどうしようもないので、組合に期待する以外にはないというのが正直なところ。

だから、労使からお呼びがあれば少しでも物事が良くなればと思って話をしに行く。期待はあるから。

むしろ、「1mgもないってことかな」とまで言っておいて、労働組合の講演会に出て行って喋ってるってのは何なんだろう。そこまで喋る相手を軽蔑しておいて、どういうつもりで話をしてきたのだろう、と性格素直なわたくしは思ってしまいます。

http://www.roshiken.jp/2887.html?*session*id*key*=*session*id*val*

①第90回研究会
 ◇開催日時     平成21年6月3日、午後2時~午後4時
 ◇開催会場     友愛会館、9階大会議室
 ◇テーマ       「日本型成果主義、導入のポイントと労使の課題」
 ◇講 師       人事コンサルタント 城 繁幸 氏
 ◇参加者       約60名

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