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2012年2月 2日 (木)

理系高学歴人材の人事労務管理

『大原社会問題研究所雑誌』1月号に、平尾智隆さんの「理系高学歴人材の人事労務管理――博士卒の処遇プレミアム」という論文が載っています。

http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/oz/639/639-05.pdf

学歴と就職率の関係を分野別に見ると、

Gakureki

文科系ははっきり、学部卒>修士卒>博士卒ですが、理科系は学部卒<修士卒>博士卒と、修士が一番良くて、博士は学部卒より良くない。

そこで、「理系高学歴人材(理系の博士課程修了者)の企業内での人事労務管理およびその処遇プレミアムを実証的に明らかにする」ことで、「人事労務管理の視点からこの問題の解決への示唆を探」ろうとする論文です。

結論のところだけ引用しておきますと、

>本研究で得られた知見をまとめると次のようになる。第1に,博士卒の初任給が勤続3年の修士卒の賃金よりも高い企業においては,その後の賃金上昇率も博士卒の方が高いことが有意に確認された。博士卒の賃金カーブの切片の高さが修士卒のそれよりも高い場合,傾きも急である。
第2に,博士卒の初任配属が専攻に近い場合,その後の賃金上昇率も博士卒の方が高いことが有意に確認できた。博士卒の採用は必ずしも多くないということはあるが,博士卒に専攻に近い仕事が配分されれば,OJTを通じて無駄なく生産性を高めることができ,その後に賃金上昇プレミアムが発生するということができる(14)。
第3に,しかし,初任配属と昇進の関係はなかった。博士卒の生産性の高まりの結果は,賃金上昇プレミアムとしては発生するが昇進プレミアムとしては発生しない可能性がある。それは,理系高学歴人材が企業内ではマネジメント層ではなく専門職として期待され,そのように処遇されているからと推測される

教育と労働の交錯する領域の中でも、いろんな意味で興味深いところです。

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