高校野球部監督の労働時間性
も一つ、こちらは山梨の高校の野球部監督の過労死事案ですが、
http://mainichi.jp/area/yamanashi/news/20120201ddlk19040124000c.html
>06年3月にくも膜下出血で急死した県立白根高教諭の山形功さん(当時40歳)が公務災害と認定されなかったことを不服として妻真弓さん(40)が地方公務員災害補償基金に不認定の取り消しを求めた訴訟の判決が31日、甲府地裁であり、林正宏裁判長は請求を棄却した。訴状によると、山形さんは公民科を担当し、生活指導副主任や野球部監督も務めていた。死亡前6カ月間の平均時間外労働は週29時間34分に及び、休日は年末年始を除き年7日間だったとされる。
判決は、野球部監督としての時間外労働について「高校が了承した部活動の時間を超える時間は、勤務時間と評価できない」とし、時間外勤務を月平均最大で77時間53分と認定。過労死の危険が高くなるとされる80時間以下とした。また、死亡前4カ月間は野球のオフシーズンで指導上の負担も軽く、「発症と公務に因果関係は認められない」とした。
判決後、真弓さんは取材に「教師として野球部監督としての過重性を認めてもらえると思っていた。判決は残念で納得できない」と控訴する姿勢を示した。元同僚の手塚正彦さん(58)は「クラブ活動を熱心に指導されている先生たちのセーフティーネットを広めてほしい」と話した。
記事だけでは事案の中身がよく分からないので、野球部監督の仕事の過重性自体の判断はつけにくいところはありますが、
>高校が了承した部活動の時間を超える時間は、勤務時間と評価できない
というのは、一般民間労働関係における労働時間性の判断からするとかなり硬直的で、問題がありそうです。少なくとも、ふつうの民間企業なら
>会社が了承した残業時間を超える時間は勤務時間と評価できない
なんていう判断にはならないでしょう。
このあたり、教育の世界の特殊性が表れているのかも知れません。
« 都労委:八王子市に団交応じるよう命令 | トップページ | 偽装「元総務官僚」による誹謗中傷の一件 »
http://anond.hatelabo.jp/20130114214839
「 部活動の指導は我々教員の正当な業務ではありません。正当な業務なら時間外に勤務させられた場合、残業代を支払わなければなりませんが、土日に部活動の指導をして支払われているお金は4時間以上指導して手当はわずかに1800円(うちの自治体の場合。練習試合の引率等で10時間以上拘束されても1800円)です。
部活動は建前上「教育職員が自らの意思に基づいて決定したところに基づくもの,すなわち自主的に行ったもの」であり、形式上校長はじめとした管理職は部活動の「部活動の顧問をしてもらうこと」を教師に「お願い」する形となっています。
「命令」した訳ではなく、「お願い」した訳ですから、その指導内容について細かに指導できるわけがないですよね。
「顧問王国」ができた理由は、部活動がこういった「グレーゾーン」に置かれ続けたことが原因です。
抜本的な解決策としては欧州のように学校単位での部活動をなくして社会体育化するか、アメリカのように学校単位で部活動はかかえつつコーチ(指導)はプロがするという形しかありませんが、どっちも無理でしょうね。」
投稿: ニュース | 2013年1月15日 (火) 20時13分