職場体験活動は学力の向上を阻害するか?
昨日、国立教育政策研究所が発表した「職場体験・インターンシップ実施状況等経年変化に関する報告書」では、標記の問いについて、このように答えています。
http://www.nier.go.jp/03_laboratory/pdf/20120208_siryo.pdf
職場体験活動の充実が図られている自治体は学力(全国学力・学習状況調査の正答率)も総体的に見て高く、同時に、学力の高い自治体においては、そうではない自治体に比べて職場体験活動の実施率が高く、体験日数も多い傾向である。このことから「職場体験活動は学力の向上を阻害するのではないか」との懸念は払拭されたと言える。
キャリア教育の意義・効果の一つとして、生徒・学生等の学習意欲を喚起することの大切さが指摘されているが、今回の調査結果は、キャリア教育の一環としての職場体験活動が、学習意欲を喚起するための有効な方策の一つであることを強く示唆している。
具体的なデータはこちらですが、
http://www.nier.go.jp/shido/centerhp/i-ship/i-ship-report/3_kousatsu.pdf
ここでもいわれているように、これは職場体験をすれば学力が向上するという因果関係を実証したわけではありませんが、少なくとも「職場体験活動は学力の向上を阻害するのではないか」という偏見に対する反論の道具にはなるということでしょう。
なお、より重要なのは次の部分。
高等学校におけるインターンシップの推進と充実は、学科や卒業後の進路を問わず不可欠であり、各自治体・学校での積極的な取組が求められる。なかでも、普通科におけるインターンシップの活性化を今後強力に推し進めることが極めて重要である。
この関係で、是非再読していただきたいエントリを:
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/blt-5334.html(若者支援とキャリア形成@BLT)
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