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2012年2月24日 (金)

高齢者雇用に転籍や派遣の活用を

『労基旬報』2月25日号に掲載した「高齢者雇用に転籍や派遣の活用を」です。

http://homepage3.nifty.com/hamachan/roukijunpo120225.html

今年1月6日に希望者全員65歳まで継続雇用する旨の労政審の建議が出されたが、高齢者雇用をめぐる議論はなかなか収まらないようである。経営側からはとりわけ、再雇用者の分までポストを用意できないとか、空きのポストに配置すると却ってミスマッチになってしまうとか、そもそも本人の性格などから再雇用したくない者がいる、といった意見が噴出している。

 こういった反発には、ミクロレベルの企業の人事管理の立場からすればそれなりにもっともな面もあるが、高齢者雇用問題はまず何よりも人口構造の急速かつ著しい高齢化を背景に求められてきたことを理解する必要がある。年金などのマクロレベルの社会保障問題は国の方で面倒を見てもらい、企業はミクロレベルの人事管理にだけ専念するというわけにはいかない。社会の中で働かずに年金をもらう側の人間をできるだけ少なくし、働いて保険料を払う側の人間をできるだけ多くするためには、社会のどこかに高齢者の働く場所を見つけていかなければならない。高齢者は可能な限り働く側にまわらなければ日本社会が維持できないというのは、全ての議論の前提である。

 問題は、その働く場所を、定年まで働いていた同じ会社の中に見つけなければならないのか、ということである。法律の原則はそうなっている。そして、その原則と企業の現実とが食い違っているという上記経営側の批判には、頷ける面が多い。とはいえ、企業の外部に排出してしまえば、自分でなんとか働く場を見つけてくるだろうとは、必ずしも言えない。他の企業がほしがるような人材は定年後でもなかなか手放さないであろうし、逆に手放したがるような人材は他の企業もあまり食指を延ばさないであろう。

 経済学の言葉で言えば、ここは内部労働市場と外部労働市場の双方にまたがるようなうまいマッチングの仕組みが必要なのである。今回の建議にはそのための道具がさりげなく盛り込まれている。一定範囲の子会社や関連会社への転籍も雇用確保先として認めるという一節である。経団連は企業グループを超えた転籍も認めるように求めていたが、それは含まれていない。筆者はもっと拡大しても良いのではないかと考えている。

 しかし、実はもう一つ内部と外部をつなぐやり方がある。グループ内部の派遣会社に転籍させ、そこからさまざまな職場に派遣するという形をとれば、実質的には広い外部労働市場のどこにでも高齢者をマッチングさせることは可能になる。こうすれば、少なくとも同一企業内でのポストとのミスマッチの問題は解決するのではなかろうか。マクロ的にはこれからますます労働力不足となる時代であり、社内では使い道のない高齢者でも、社会全体を見渡せばいくらでも使い道は見つかるはずである。そして、それくらいは、長く労働者を使ってきた企業の責任として果たしても罰は当たらないであろう。

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