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2012年2月26日 (日)

学費は高いわ援助はないわ・・・日本の高等教育@OECD

OECDが去る2月23日に公表した「Education Indicators in Focus」No.2に、大変雄弁なあるグラフが載っています。

http://oecdeducationtoday.blogspot.com/2012/02/increasing-higher-education-access-one.html(Increasing higher education access: one goal, many approaches)

ご存じの方はとっくにご存じのグラフですが、

Edif_2chart20blognew21

これを見ると、世界の国は4つの象限に分けられます。

右上のアメリカなどが入っている第1象限は、学費は高いけれども奨学金が充実している国。

右下の北欧諸国が入っている第4象限は、学費は低い上に奨学金が充実している国。

左下のふつうのヨーロッパ諸国が入っている第3象限は、学費が低いので奨学金が充実していない国。

そしてただ一国左上の第2象限に燦然と輝く我が日本国は、学費が高い上に奨学金が充実していないという素晴らしい教育環境を世界に誇っています。

48634067cover20150_2(追記)

下のコメントで、「通りすがり」さんが

この手の比較で高等教育への進学率の国別の違いへの言及が無いのは分析が不十分だと思う。

と述べていますので、これまた既にご承知の方には今更ですが、同じOECDの「Education at a glance 2011」から先進各国の大学進学率を男女別にみたグラフを

http://www.oecd.org/dataoecd/62/2/48630696.pdf

Oecdedu
いくつかの重要なことがわかりますが、まず日本は少なくともOECDに加盟している先進諸国の中では決して高等教育進学率が高い方ではないということ、そして、トルコを除いてす他の全ての国では女性の進学率の方が男性よりもかなり高くなっているのですが、日本だけはダントツに男性の方がずっと高くなっているということ。たぶん、教育関係者で国際比較に詳しい人にとっては常識的なことですが、そうでない(週刊誌やテレビあたりで政治意識を涵養しておられる)方々にとっては、相当に意外なデータではなかろうかと思われます。

(再追記)

さらに「通りすがり」さんから、

ところで、奨学金制度の充実についてですが、給付と貸与の別は明らかなのでしょうか?
貸与制が主体の国の場合は学費が安い国と比べるとやはり負担の軽減の程度が低いように思いますがこの点はいかがなのでしょう?

と問われました。欧米人なら“Good Question”というところでしょうか。まさにOECDの「Education at a glance 2011」に、そこのところを分析したグラフも載っています。

Oecdloan
ご覧の通り、日本はほとんど全てが「Student loans」という点で際だっているようです。

(お知らせ)

94412 こうしていちいちOECDの原書からC&Pする代わりに、明石書店から刊行されている訳書を紹介した方が早いかも。

http://www.akashi.co.jp/book/b94412.html(図表でみる教育 OECDインディケータ(2011年版))

経済協力開発機構(OECD) 編著
徳永 優子 訳
稲田 智子 訳
来田 誠一郎 訳
矢倉 美登里 訳

8,400円とだいぶ高いですが、およそ教育問題を論じようとするなら必携です。エビデンスに基づいて教育を論じようとするまともな国なら。

うーっむ、こういうのをかけらも読んでなさそうな、むしろその存在すら知らなさそうな御仁ほど、大衆系マスコミのみならず教育行政に関わりあるところですらふんぞり返って「教育」を論じて恥じないのがどこかの国なのかも知れませんが・・・。

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コメント

高校無償化をばら撒きとか言って叩きまくったのだからしょうがない。
もう完全に大学の学費軽減の目は無くなったね

この手の比較で高等教育への進学率の国別の違いへの言及が無いのは分析が不十分だと思う。

この図をみると大学進学の道をより狭くし、より高等教育に明確な基準を設けて、他の道を選べられる社会の構築をする事が急務であることがわかりますね。
こんな高度教育への非効率な投資の現状は、今後ありえないといえるでしょう

日本の制度は大変良いとは言えないけど、
奨学金制度は悪くないし、世界的に見れば学費は安い方
(欧州だけがタダみたいな値段で格安)

アジアやアメリカでは大学や医療をまともに受けられない層がかなりいる。日本はまともに生きていたらそれが可能な幸せな社会。

第2象限と第4象限が反対では?

大学生ですが。
日本の奨学金は家庭の経済状況が中途半端にいいと貰いにくいし、悪すぎても貰えなかったり?手続きもめんどくさかったり、事務も高圧的な雰囲気だったりで全然いいイメージありませんでした。奨学金って言うかただのローンなのに。
やる気のある人がお金のせいで高等教育を受けられない状況が発生してるならこの国は投資が下手すぎますね。

第二象限と第四象限が逆ですね(単純に言葉の問題)。

進学率以外にも、高等教育の教育レベルとか、投入されている税金とか、企業との共同研究の積極性とか、いろいろ気にしだしたらキリがないんでしょうけど、最も気になるのは、優秀にもかかわらず経済的事情で高等教育が受けられない人がどの程度いるか、そういった人をサポートする仕組みはどの程度充実しているかだと思います。

私にとっては驚きの統計2連発でしたが、驚きすぎて消化不良です。この結果から、何がいえるのか? なにが提言できるのか? 識者の見解が知りたいです。

しかしそれにしても、追記の方のグラフにおいて、「30才以上と30才未満」で、さらに区分けが設けられているのも興味深いですね。

だって、日本の通常感覚だと、まず間違いなく「30以上からの大学在籍」を、異端視しますものね。

早速資料を追加いただきありがとうございました。
なるほど、言われているほど日本の大学進学率が高いというわけではないのですね。

ところで、奨学金制度の充実についてですが、給付と貸与の別は明らかなのでしょうか?
貸与制が主体の国の場合は学費が安い国と比べるとやはり負担の軽減の程度が低いように思いますがこの点はいかがなのでしょう?

「終身雇用」という安定した雇用システムが確保できていたため、貸与でも返済のメドが立つものだった、というのが貸与中心の理由なのでは?

また、親が子供の面倒を見て、子供が将来親の面倒を見る、というのが一般的、つまり、親子の教育において憲法による義務・権利以上の干渉がないことが、給付奨学金の額と、授業料の金額を決めていたのでは?

そもそも、給付で奨学金をもらえるよりは、会社で安定して給料をもらえる方が幸せなのでは?で、そういうことを前提とした社会設計だと仮定すると、あながち悪いとは言えない。

金銭的に恵まれない状況から、奮起し成功を収めるというのが尊まれるという文化的背景はないのでしょうか?

悪しきは、留学生にばかり給付している現状ではないでしょうか。元が国民の税金なので、これはおかしいと思いますよ。

>>bockさん

同意します。

終身雇用という安定した雇用システムを確保しずらくなっている現代では当然改められるべきですね。

留学生は大学生全体の3%もいないので、トリビアルな問題だと思います。

レリバンスかディーセントにくっつけるより、盛り上がってそうなこちらに

http://togetter.com/li/265900

”45歳の今高校大学の同級生を見渡してみると、「総合職」とか「一般職」なんて分類出来るような仕事をしてる女友達は見当たらないな。”

”私だって、ウォール街で女性が就ける仕事のROIが目立って低いとあらかじめ強烈にわかっていたら、なにも高い学費はらってMBAに投資するインセンティブなんか、なかったぜ。”

”そこらへんは私が棲んでいた世界と日本企業内での女性従業員の扱いや就業環境とでかなりの違いがあるかも。日本の場合は線引きが曖昧なんですよね。能力がある女性はたとえ一般職というカテゴリーでも重宝されて仕事させられる。米企業ではExとNon-Exで分断されてるから。”

”米企業だと、いわゆる一般職(Non-Exemptカテゴリー)に入れられている限り、「この人が屋台支えているんだ・・・」なんつー評価やアプリしエーションを周囲からもらえる(=そういう形でのジョブ・サティスファクション高い)って、日本ほど、ないもん。”

”逆に言えば、日本では、ExemptとNon-Exemptの業務上での線引きが曖昧であるがゆえに、明らかにオーバークオリファイドである女性従業員に、現場全体が甘えておんぶしてるとこ、実際あるからな。”

”そういう就業環境が心地良いと感じるひともいれば、能力あると評価してくれるならハッキリと「役職」および「金銭」の両面でRewardが欲しいと考える私みたいな者には、逆に居心地悪いねん。”

はてなブックマークをみますと、意外と皆さん男女の大学進学率差にくいついている人が多かったので。

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