土屋トカチ監督作品『フツーの仕事がしたい』
土屋トカチ監督作品『フツーの仕事がしたい』といえば、近年話題となった労働ドキュメンタリーの傑作として有名ですが、今回旬報社からDVD BOOKとして発売され、わたくしにもお送りいただきました。
http://www.junposha.com/catalog/product_info.php/products_id/730
>皆倉信和さん(36歳)は根っからの車好き。高校卒業後、運送関連の仕事を転々とし、現在はセメント輸送運転手として働いている。しかし月552 時間にも及ぶ労働時間ゆえ、家に帰れない日々が続き、心身ともにボロボロな状態。「会社が赤字だから」と賃金も一方的に下がった。生活に限界を感じた皆倉さんは、“誰でも一人でもどんな職業でも加入できる”という文句を頼りにユニオン(労働組合)の扉を叩く。しかし、彼を待っていたのは、会社ぐるみのユニオン脱退工作だった。生き残るための闘いが、否が応でも始まった。
最初、ヤクザまがいのに脅されて組合脱退届を書いた弱々しい主人公が、母の葬儀にまで押しかけて暴行する連中にも屈せずに頑張っていく姿を描いた労働ビルドゥングスロマン・・・、というのもちょっと違うかな。
しかし、ほんとの現場でカメラをたたき落とされるような迫真のドキュメンタリーでありながら、登場人物(とりわけ相手側の悪役)が見事にキャラが立っているというのが、巧まざる按配というか何というか、凄いところですね。
>英国・第17回レインダンス映画祭、UAE・第6回ドバイ国際映画祭において、ベストドキュメンタリー賞を受賞。国内外の映画祭で評価された。
なにはともあれ、この予告編をご覧下さい。
その英語版もどうぞ。
ところで、このドキュメンタリーが撮られている時期は2006年。長期にわたる好景気が続いていた頃ですね。公開されたのは2008年秋の景気が急激に悪化しつつあった時期ですが。
なるほど、景気が良くなれば、労働問題なんか消え失せる、と。ふむふむ。
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