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2012年1月19日 (木)

小杉礼子・原ひろみ編著『非正規雇用のキャリア形成』

94914 フリーターやニートといった若年雇用問題については小杉礼子さんが中軸ですが、本書はそのうち副題にもなっている「職業能力評価社会を目指して」という観点からの分析をまとめたもので、とりわけ原さんが非正規労働者への教育訓練機会という観点から、ここ数年もみくちゃにされてきたジョブ・カード制度の効果を分析しています。

かなりの論文は、既にJILPTの報告書等で公表されたものですが、こういう形で一冊にまとめられて通読すると、全体像がすっきりとします。

http://www.keisoshobo.co.jp/book/b94914.html

>近年、非正規雇用者が増大しているものの、彼らのスキル・アップの機会は正規雇用者に比して著しく少ない。本書は、大規模調査によって非正規雇用者のキャリアパスや正社員への転換の現状、能力開発の実態を捉えるとともに、企業内訓練の効果を分析。さらに、正社員への移行支援政策としてのジョブ・カード制度の現状と課題を論じる。

所収論文は次の通りですが、

序章 非正規雇用者のキャリア形成と政策対応[小杉礼子・原ひろみ]
第Ⅰ部 非正規雇用の職業能力開発とキャリア形成の実態
第一章 職業への移行の脱標準化はいかに起こっているのか?[香川めい]
第二章 非正規就業する若者が正社員へ移行する要因は何か――継続期間データを用いた規定要因分析[山本雄三]
第三章 正社員への移行の実態と課題――内部登用の可能性[小杉礼子]
第四章 非正社員の企業内訓練の受講とその効果[原ひろみ]
第Ⅱ部 ジョブ・カード制度の実態
第五章 正社員への移行支援政策としてのジョブ・カード制度の現状と課題[小杉礼子]
第六章 教育訓練と職業能力評価の普及のために――ジョブ・カード制度の有期実習型訓練を事例として[原ひろみ]
終章 非正規雇用者のキャリア形成機会を拡大するために[原ひろみ]

ここでは、原さんの終章から、メッセージ的な文章を。

>・・・こうした現状を受けて、非正規雇用で働く人々のキャリア形成を促進する対策を検討したのが本書である。

どのようにしてキャリアを切り開いていったらよいのかを、一番真剣に考えているのは非正規雇用で働いている本人たちであろう。・・・

>その中の一員としてわれわれがたどり着いた答が、実践的な職業能力開発機会の提供と職業能力が社会的に評価される仕組み、すなわち「職業能力評価制度」の普及である。

>本書では、施行後間もないジョブ・カード制度を一例として取りあげて、導入過程で何が起こったのかを検証した。そこで分かったことは、職業能力評価制度を普及させるには、直接的にも間接的にも多大なコストがかかるということである。その一方で、制度導入の効果も確かなものとして実感されていた。しかし、残念なことに、ここで注目した有期実習型訓練は、「仕分け」を受けての見直し後は、採用企業が減っている。

企業内での能力開発やキャリア形成の仕組みに乗れない人たちが増えている今こそ、そして正社員だからといって必ずしもこのような機会が与えられない人たちも増えている今だからこそ、こうした制度の導入を真剣に議論すべきであり、社会として受け入れる覚悟を決めなければいけない

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