山川隆一『労働紛争処理法』
山川隆一著『労働紛争処理法』(弘文堂)をお送りいただきました。ありがとうございます。
http://www.koubundou.co.jp/books/pages/35521.html
>労働紛争処理システムの全体像をわかりやすく解説するとともに、労働法学において初めて要件事実論に基づく事件処理の手法を具体的に提示した、実務に役立つ基本書。
労働紛争の解決をめぐる基礎的な視点を示したうえで、企業内の自主的な紛争解決も視野に入れながら労働紛争解決システム全体の現状と課題を指摘した第1部。
労使トラブル解決のために用いられる主要な制度と手続を、行政上と司法上とに分けて紹介し、そこで生じている論点については、裁判例や学説をふまえ検討した第2部。
労働紛争をめぐる主要な訴訟類型(解雇と雇止め、賃金・退職金、就業規則の不利益変更、配転・出向、労働時間、懲戒処分、男女雇用平等、労働災害、労働協約、不当労働行為)において問題となる要件事実について取り上げた第3部。
労働審判法の制定や労働組合法の改正など、この分野における立法の基礎作業にも深くかかわった著者による決定版。
ということですが、全体としては労働問題の民事(行政)訴訟法の教科書という感じの一冊です。
第3部の要件事実論というのは、法曹の方々の議論にはよく出てくるので、こういう風にまとまった形で解説されると勉強になります。
第1部 総論
第1章 労働紛争の意義と解決
I 労働紛争の意義
II 労働紛争の解決
第2章 労働紛争解決システムの現状と課題
I わが国における労働紛争解決システム
II 諸外国における労働紛争解決システム
III 労働紛争解決システムの課題
第2部 労働紛争の解決制度と解決手続
第1章 行政による労働紛争の解決
I 総説
II 個別労働紛争解決促進制度
III 労働委員会による紛争解決制度
第2章 裁判所における労働紛争の解決
I 総説
II 通常訴訟手続
III 労働審判手続
IV 仮処分手続
第3部 労働法における要件事実
第1章 労働紛争の解決と要件事実
I 要件事実論の概要
II 労働法における要件事実の意義と限界
III 労働紛争解決システムと要件事実
第2章 主要な訴訟類型における要件事実
I 解雇・雇止めをめぐる訴訟
II 賃金・退職金をめぐる訴訟
III 就業規則の不利益変更をめぐる訴訟
IV 配転・出向をめぐる訴訟
V 労働時間をめぐる訴訟
VI 懲戒処分をめぐる訴訟
VII 男女雇用平等をめぐる訴訟
VIII 労働災害をめぐる訴訟
IX 労働協約をめぐる訴訟
X 不当労働行為をめぐる争訟
« 「成長」は労組のスローガンなんだし | トップページ | 人を憎むことでしか自分の確認出来なくなってしまうから »
コメント