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2012年1月30日 (月)

雇用構築学研究所『NEWS LETTER』No.37

旧青森雇用・社会問題研究所時代から刊行されている『NEWS LETTER』、日本の北(青森)と南(鹿児島)を縦断して出るようになってからはや数年、石橋はるか編集長から「ブログで取りあげて」というメッセージつきで、37号が送られてきました。

今号の興味深い論考は、岡本祐二さんの「派遣労働の縮小は若年雇用にいかなる影響を与えたか?」。岡本さんは都立大の修士で社会学をやった後現在は“大手人材派遣会社勤務”ですが、理論派と実務派の複眼性の感じられる文章が、わたくしにはとても好感が持てます。

>・・・日本型雇用システムの再編を考える場合、それが社会保障制度や人々のライフモデルの転換とも密接に関連する問題であるがゆえに、現実の課題を見据えつつも、既存のリソースをベースにして、如何に漸進的な改良を進められるかという着実な思考が求められる。その際、「正社員」の既得権益を切り崩し、職務給制度(同一労働同一賃金)を一斉に移行すれば事足りるというような「急進的」な思考も、非正規雇用を「正社員」並みに保護すれば皆ハッピーになると考える「保守的」な思考も、トータルな社会像とそこに至るまでのステップを欠いているがゆえに、結果的に(その利益に預かるそうとそうでない層との間で)労働者を分断してしまう可能性が高い。それゆえ、新たな日本型雇用システムは、その再編の過程において、綻びを見せつつある旧来の雇用システムからこぼれ落ちた人々をキャッチし、再び段階的に掬い上げていくような柔軟な仕組みが必要とされるだろう。その時労働者派遣制度は、日本の労働市場の中で新たな重要な役割を果たすはずである。

1087_9 ちなみに、岡本さんは『どこか〈問題化〉される若者たち』という本で「第4章 若者労働の現在」という一章を書いています。

http://www.kouseisha.com/05_sociology/1087_9.html

ほかに、興味深い文章としては、黒川恵理菜さんの「更生する元非行少年少女たちへの就労支援」があります。鹿児島の若駒学園という児童支援施設を調査してまとめたものですが、労働系の人の目からこぼれ落ちがちな対象だけに貴重です。

>実際に若駒学園を訪ね、同園の生徒にもあったがとても非行に常習性があったとは思えず、普通の子だという印象を強く受けた。視点を変えれば彼らは環境次第で変わることのできる柔軟性を持ち合わせているとも感じた。近年の不況のために企業は雇用に対して消極的な姿勢をとっており、受け口が少ないのが現実である。この就労支援というプログラムに共感し、協力してくれる事業主がさらに必要である。「歯車は全て噛み合わないとうまく回らない。一つでも欠けるとすぐに壊れてしまう」と大塚さん。・・

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