レモンをお金に換える法または労使関係のリアリティ
いまや朝霞市議になった黒川滋さんが、議会の質問で労働法教育を求め、
http://kurokawashigeru.air-nifty.com/blog/2011/12/1222-01dc.html
>③労働法教育について
Q労働三権を丸暗記させられて、労働法の基礎知識すらなく社会に放り出されて、つまづく若者も多い。市が推進するキャリア教育にあわせて、労働法の実践的な教育をすべきではないか。
A(学校教育部長、教育長)知識注入型の労働法教育にとどまっているので実践的な教育のあり方についてキャリア教育の充実とあわせて検討したい。
〈解説・感想〉とくに集団的な労使関係で、労使対等の交渉で職場のルールは形成されるんだ、という労使関係についてワークショップ等で学べるような仕組みを考えてもらいたいとお願いしました。教育委員会の関心は高いものの、こうした自らを守るための技術教育について学習指導要領にどう位置づけられるかが課題のようですが、すでに厚生労働省などは「今後の労働法制度をめぐる教育の在り方に関する研究会」などで必要性を強く訴えているものです。
それに絡めて、『レモンをお金に換える法』という本を改めて紹介しています。
http://kurokawashigeru.air-nifty.com/blog/2011/12/1126-1bc0.html
>労働法教育を求めた議会質問でも、先日のブログでも、労使関係が市場にとって不可欠だということを説明しなくてはなりません。
資本主義社会に生きながらほとんど労使関係を知らないこの地域の多くの人にどうやって理解してもらうのか、と思い返したらこんな本を思い出しました(昔も紹介したような記憶があります)。
どういうところが労使関係の教育に役立つのかというと、
>主人公は、夏休みにレモネードをネタに金儲けを始め、徐々に成功し、従業員を雇ったら賃金に不満で、労使交渉を申し込まれ、交渉決裂、ストライキ、ロックアウト、仲裁、労使交渉が妥結、事業再開、そしてさらに商売は繁盛し、夏休みの終わりに成功したレモネード屋を売り払い商売は大成功、めでたしめでたし、という話の絵本です。
商売をやっていくといずれ労働力の購入が不可欠で、それはそれで市場原理が働き、売り手の主体として労働者があり労働組合があり、そことの交渉が不可欠という話が、金儲けのメカニズムを教える中に必ず入っています。アメリカらしいリアリティの持ち方です。
労働者を弾圧して貰うのでない限り、市場原理でものごとをやっていく以上、労使関係をどう扱うかという問題は必ずつきまとうわけで、それがまともな市場経済というものであるわけですが、どういうわけか、近年の日本で流行る民間ガーというのは、こういうまっとうな市場経済の原理が大嫌いでしょうがないのですね。資本主義社会の権利を持った労働者ではなく、奴隷がお好みのような匂いが・・・。
このあたり、いろいろ問題はあるにしても、アメリカという国の底抜けな素直さは評価するに足ります。
『レモンをお金に換える法』については、以下参照。
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