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2011年12月 1日 (木)

森岡孝二『就職とは何か』

S1338 森岡孝二さんより、新著『就職とは何か』(岩波新書)をお送りいただきました。ありがとうございます。

http://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn1111/sin_k620.html

9月の水町さんの『労働法入門』から息も継がずに労働関係の本を出すとは、岩波もリキが入ってますね。

>就職新氷河期」のなかで、「就活」に振り回される学生たち。大学3年生の中頃から走り回っても、5人に1人は定職に就けないまま卒業しています。採用内定が出ても、待ち受けているのは働きすぎで、正社員から逃げ出せば非正規の仕事しかありません。

 本書では、こうした就職前と就職後をつないで、〈まともな働き方〉の条件を問い直します。学生と若者に焦点を絞りつつも、働き盛りの世代にも、また、親や教員、採用側の企業関係者にもぜひ手に取っていただきたい一冊です。

就活の話から入って、「まともな働き方」の重要性を説くなど、共感できるところの多い本です。

ただ、冒頭の「はじめに」の記述で、ちょっと気になったのが、厚生労働省の「就業形態の多様化に関する総合実態調査」を引いて、こう述べているところです。

>同調査の中の個人調査の結果に目を転ずると、驚くべき事実が浮かび上がる。非正社員比率は、全年齢の男女計で見ると、38.4%であるが、なんと、15~19歳では男性91.6%、女性95.8%、20~24歳では男性46.7%、女性44.2%となっている。これらの数字から、高校新卒者は大多数が非正社員であること、短期大学及び大学の新卒者を含む年齢層は男女とも非正社員比率が45%前後であること、・・・などがわかる。(iiページ)

この年齢階層別正規非正規比率の数字は

http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/5-22b.html

の附属統計表に載っていますが、これを「高校新卒者」「短期大学及び大学の新卒者」における正規非正規比率と解釈するのは違うように思われます。高卒者の9割以上が非正規で就職とすると、まさに「驚くべき事実」ですが、これはむしろ、在学中の者も含めた10代後半の若者の雇用形態が9割以上非正規と解すべきで、彼らの大部分がいわゆる「アルバイト」就労者であることを考えれば、わりと自然な数字であろうと思われます。20代前半についても、ある部分はやはり大学生のアルバイトが含まれているでしょう。実際、生活を賄う主な収入源を見ると、15-19歳男性の95.4%、同じく女性の95.7%が「親の収入」と言っていますし、現在の就業形態を選んだ理由は「自分で自由に使えるお金」がほとんどで、「正社員として働ける会社がなかったから」は男性3.4%、女性14.3%で、むしろ「古き良き時代」の家計補助的非正規とあまり変わらないように見えます(女性については必ずしもそうでない面もありますが)。

ただ、20-24歳層では(こちらにむしろ最近の高卒者が多数含まれていると思いますが)、「親の収入」が男性52.9%、女性51.9%と、半数は家計補助的ではなく家計維持的労働者であるのに、「正社員として働ける会社がなかったから」が男性22.3%、女性19.2%となっていて、高校新卒者が非正規で自活しなければならない状況が存在することを示しているように思います。

問題はむしろさらに、それより年齢層が上がっても、非正規比率が結構高いまま残っている点で、20代後半から50代まで「正社員として働ける会社がなかったから」非正規というのが分厚く存在していて、まさに大きな問題なのですが、上で引用したデータの使い方は、学卒就職問題の冒頭のネタとしてはちょっとずれがあるように感じました。

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