本日、高齢者雇用で結論が出ました
本日、11:30-13:00の予定で、労働政策審議会の雇用対策基本問題部会が開かれ、うまくいけば一昨日示された報告(案)に一定の経過措置を加えてで労使合意されたようですることになります。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001z3s5.html
1.日時平成23年12月28日(水) 11:30~13:00(変更後)
一昨日の資料は
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001z681-att/2r9852000001z6bm.pdf
>(2)しかし、現行制度では65 歳までの希望者全員の雇用を確保することとなっていない。これにより、2013 年度からの老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢の引上げに伴い、無年金・無収入となる者が生じることのないよう、意欲と能力に応じて働き続けることが可能となる環境整備が求められており、雇用と年金を確実に接続させるため、現行の継続雇用の対象となる高年齢者に係る基準は廃止することが適当である。
その際、就業規則における解雇事由又は退職事由(年齢に係るものを除く)に該当する者について継続雇用の対象外とすることもできるとすることが適当である(この場合、客観的合理性・社会的相当性が求められると考えられる)。
(3)また、継続雇用制度の基準を廃止する場合であっても、就労を希望する高齢労働者が増加していくことを考えると、同一の企業の中だけでの雇用の確保には限界があるため、①親会社、②子会社、③親会社の子会社(同一の親会社を持つ子会社間)、④関連会社など事業主としての責任を果たしていると言える範囲において、継続雇用における雇用確保先の対象拡大が必要である。
というわけで、9条2項の廃止と、現在Q&Aでやっている転籍による雇用確保の拡大というかたちです。
真ん中の「その際」は、定年でなくてもそこで雇用が終了できるような場合は、雇用終了してもいいよ、という当たり前といえば当たり前の話ですが、いままでほんとは解雇したいんだけど、もうすぐ定年だからそれまで我慢して待とう、という行動様式をとっていた使用者からすると必ずしも当たり前でないということだったわけでしょうか。
これは、議事録上では森戸さんが論じていたように思いますが、最近労経速に載ったフジタ事件判決が、整理解雇できるような状況下で定年後の継続雇用を拒否してもOKという判断を示していて、その場合は有期の反復更新とは違うけれども似たようなものとして解雇権濫用法理の類推適用でいくんだと言ってますね。
転籍の拡大については、詳しい別資料があって、
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001z681-att/2r9852000001z6bv.pdf
議決権20%以上の関連会社を新たに含めるということのようです。
本日、この通り決まるかどうか分かりませんが、結論が出ればまた改めて。
読売によると、経過措置は次のようなものだそうです。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111228-OYT1T00600.htm?from=main2
>「若年者雇用に大きな影響が出る」という企業側の反発を受け、特例的に一定期間、再雇用対象者を選別できる経過措置を認めることとした。
>基準を存続できる経過措置は、厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢が2013年4月から段階的に60歳から65歳に引き上げられることを考慮し、報酬比例部分が受け取れる年齢の従業員に関して認められる。経過措置の詳細やいつまで認めるかは今後、検討する。ただ、特例が適用されても「無年金・無収入」の高齢者は生まれないことになる。
本日の資料がアップされたらまた改めて。
その前に、池田信夫氏のコメントを:
http://twitter.com/#!/ikedanob/status/151897494094233600
>自民党は反対しないんだね。日本の政党は「老人翼賛会」になったのかな。 RT @nhk_news: 65歳雇用義務化 法案提出へ
今更ながらですが、池田信夫氏の脳内では、老人翼賛会というのは、若者や現役世代が汗水垂らして働いて稼いだカネを働かない老人の生活につぎ込ませる政策を指すのではなく、現役世代にばかり負担をかけないように高齢者にもできるだけ働いて自分の生活を維持してもらう政策を指すようでありますな。
池田信夫氏とその周辺のイナゴ諸氏以外には、世界の先進国のどこでも通用しないロジックですが(「俺たち高齢者をいつまでも働かせようとするな」とデモするフランスの労働組合は涙を流して喜ぶかも知れませんが)、それがマスコミ人に結構通用してしまうのですから、まあ呆れたものではあります。
まあ、日本の労働者の大部分がそういう奇矯な議論に付き合わないお蔭で、昨年来たフランスの労働大臣は、日本の労働者をうらやましがるわけですが。
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