フォト
2020年4月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
無料ブログはココログ

« 経営資源としての労使コミュニケーション@JILPTフォーラム | トップページ | 労働安全衛生法改正案閣議決定 »

2011年12月 2日 (金)

パワハラは原則合法?

経営法曹会議から、『経営法曹研究会報』69号をお送りいただきました。

今号は、「パワハラリスクへの実務対応」という特集で、

1.最近のパワーハラスメント訴訟とその傾向  男澤才樹

2.精神疾患等の労災認定基準の見直しとその影響について  深野和男

3.パワハラか否かの判断が困難な場合とその対応  尾畑亜紀子

4.退職勧奨とハラスメント  丸尾拓養

という4つの報告とそれをもとにした討議が収録されています。

いずれも、近年の裁判例などを駆使して、大変勉強になりますが、ここでは、おなじみ丸尾弁護士の、「そもそも論」が興味深いので、ちょっと長めですが引用しておきます。

>そもそも、ハラスメントというものは何かと考えたとき、実は、セクハラとパワハラでは、まったくベクトルが違っていると考えています。

セクハラは、セクシュアルな行為、つまり性的な言動ですから、会社に持ち込まれるべき者ではありません。だから、会社としては、徹底的に禁圧していくことになります。

しかし、パワハラの“パワー”というのは、そもそも上司の権限です。上司として、その権限を行使していくのは責務です。それは、組織を維持していく上で、経営としては当然に必要なものであり、会社としては、現場の上司にむしろ行使してもらいたいものです。そして、上司というのは嫌なものであり、ハラスメントというのが「嫌がられる」という意味であるならば、パワハラは必然的であると思います。

ですから、私は、セクハラとパワハラはまったくベクトルが逆で、セクハラは原則違法であるが、パワハラはもしかしたら原則は合法、許されるものではないかと考えています。

つまり、許されるパワハラと許されないパワハラがあって、そして、許されないパワハラが、先ほど申し上げたような「ひどい嫌がらせ、ひどいいじめ」というものではないかという感覚を持っています。

“パワー”というものが上司としての権限の行使である以上、「パワハラ」をあまり騒いで萎縮的効果、つまり、chilling effectみたいなものを与えて、上司が権限を行使できなくなってしまうことは、少なくとも経営として避けるべきであると思います。

ですから、厚労省はいろいろやられているようですが、パワハラについては少し冷静に見ていく必要があると思っています。・・・

いかにも丸尾さんらしい、結構刺激的な表現ですが、ある面で真実を言い当てていることも確かなのでしょう。

実は、まったく逆の立場からですが、似たような議論を読んだことがあります。

Work,employment and society』というイギリスの労働社会学の雑誌に載ったDavid BealeとHeige Hoelさんの「Workplace bullying and the employment relationship: exploring questions of prevention, control and context」という論文ですが、イギリス政府や労組が結構この職場のいじめ問題に取り組んでいることについて、いじめはむしろ資本主義社会における労働者統制の効果的な手段なんじゃないのかとマルクスやブレイヴァマンの労働過程論などを引きながら論じていて、興味深いものがありました。

>「パワハラをなくそう」というのは、ある意味で“お花畑”な話・・・

という認識で多分両者一致しているのでしょうが、根っこはだいぶ違っていそうです。

« 経営資源としての労使コミュニケーション@JILPTフォーラム | トップページ | 労働安全衛生法改正案閣議決定 »

コメント

『経営法曹研究会報』、バックナンバーも含め興味をひくタイトルの記事が多いので読んでみたいと思ったのですが、経営法曹会議のサイトに購読方法の記載はなく、また、東京都内の公共図書館ではWeb-OPACでみる限り所蔵がないようでして…どこかで読めないものでしょうかね。

その性質上、限られた関係者以外にはその知見を流出させないことが前提となっている雑誌なのかもしれませんが…

公開の図書館としては、まさにわたくしの勤務先の労働政策研究・研修機構の図書館にあります。最新号は雑誌コーナーに展示してありますし、バックナンバーも揃っていますので、お気軽においで下さい。

セクハラの為のパワハラって大いにあるんじゃないですか?

私の場合がそうでしたよ。 既婚上司からのセクシュアルな関係、それにつながりそうなお誘いを断るとパワハラ。 我慢してるとセクハラ。 はむかうとまたパワハラ。。 途中仲裁を他の上司に頼んだこともありました。

ついにレイプに至らぬまでも密室で羽交い絞め、しゃべるなという意味のパワハラ これ以上大きな過ちが起きないために勤務先に通告したのですが、 権力の違いでまったくひどい処置でした。

そもそもハラスメントしたいような人は高学歴であっても一般常識のあるような人ではないのでセクハラとかパワハラとか自分のやっていることが悪いという認識が欠けているんだと思います。

この二つ、 はっきり別としないほうがいいのでは?
むしろ結ぶつけて取り扱うべきだと思います。

私の上司は結局はくびにはなりましたが私は弁護士を使いました、しかし”俺はいい男で頭がよくて”ROCK STAR"のようなものなのに”たかが日本から来た日本人女のためにくびにするとは! っと会社を訴える勢いだったらしいです。  そしてわたしは勤務交代を拒否され、今でもその彼の”内縁の女”とともに働かさせられ、嫌がらせをされる毎日です。 もちろん勤務先は何もしてくれません。 モラルのなさを受け入れるのも会社の責任。

やっぱりしっかり法律で守ってほしいです。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: パワハラは原則合法?:

« 経営資源としての労使コミュニケーション@JILPTフォーラム | トップページ | 労働安全衛生法改正案閣議決定 »