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2011年12月 9日 (金)

奥様、月10万円もらってネイルアート教室に通いませんか  凸撃ルポ付き 社会主義も呆れる民主党政権の保障費バラマキ@『正論』

Hyou1201最近は「りふれは」機関誌としても有名になってきた『正論』ですが、やはりこういうちょいとひねこびたサヨク批判がよく合ってます。

http://www.sankei.co.jp/seiron/wnews/1112/mokji.html

『正論』1月号が「増税と反日マネー」という特集を組んでいまして、冒頭お約束通り高橋洋一氏が登場していますが、今号の読み物はなんといっても中宮崇氏の「奥様、月10万円もらってネイルアート教室に通いませんか  凸撃ルポ付き 社会主義も呆れる民主党政権の保障費バラマキ」でしょう。

これは、はっきり言って不愉快な文章ですが、しかしある面の真実を(ひねこびた形で)付いていることも事実であって、ここで書かれていることに向かい合うことが労働関係者には必要であることもまた事実だと思われます。

この文章、いうまでもなく基金訓練とそれを引き継いだ求職者支援制度を批判しているのですが、それを書いているこの中宮崇という人、自らいうところでは、

>私は平成23年4月、三重県松阪市で、国が民間企業に委託して行う「職業訓練校」の講師を務めた。

その会社のひどさはこの文章に書かれているので立ち読みでもしていただければと思いますが、自分もそれに荷担していたわけですよね。

で、10月7日放送されたテレ朝の「モーニングバード」で、この制度が褒めちぎられていたというのですが、実はその番組にわたくしもちょっと映っていたはずです。朝の番組なので見ていないのですが、全日にテレビカメラの前で喋った映像が流れたはずですが、その中で、まさに中宮氏が鬼の首を取ったように批判しているネイルアート訓練の話題も取り上げて(というか、インタビュアが持ち出したのですが)、もともと職業訓練軽視政策のために公的職業訓練が縮小の一途をたどっていたところへ、突然訓練を受けることを条件に生活費を支給するという制度が飛び込んできたために、大あわてで訓練施設を探して制度を始めたために、ネイルアートみたいな変なのも入ってしまった、しかし、求職者支援制度の制度設計の中でそういう問題点も指摘され、訓練施設の側も訓練生の側も、かなり厳しく審査するような制度になったはずです、というようなことを喋ったのです。まあ、それがそのまま流れたのかどうかはよく分かりませんが。

このあたり、最近いくつかのメディアに「求職者支援制度のトリレンマ」ということで書いたりしているので、本ブログの読者は既にご存じでしょうけど、

http://homepage3.nifty.com/hamachan/roukijunpo110925.html(求職者支援制度のトリレンマ(『労基旬報』2011年9月25日号))

そういうインチキ訓練施設で講師をしていた中宮氏のような方に、

>・・・ついには、就職支援をうたい、低所得層の主婦が毎月10万円をもらいながら「ネイルアート教室」に通えるという制度まで作り上げた。ここに趣味あるいは10万円ほしさだけで通われたらたまったものではない。・・・さては主婦の爪を飾り立て、水商売か風俗にでも沈めて稼がす魂胆か・・・と妄想したくもなるハチャメチャぶりである。

とまでいわれるのも哀しいものがありますが、この文章から窺い知れる中宮氏の精神の気高さは別にして、「10万円ほしさだけで通われたらたまったものではない」という彼の言葉は、まさにこの制度の急所を指していることも確かなのですね。

わたくしが上記小文で述べたように、

>もちろん、アクティベーション戦略においては、職業能力の向上が再就職の促進につながり、生活保障から脱却できることになるはずであるが、制度には常にその裏を掻こうとする者が現れる。訓練を受けている間は毎月10万円がもらえるのなら、金のために受けたくもない訓練を受ける者が出てくる。そういう者が受講者の多くを占めるようになれば、そこに起こるのは一種の「学級崩壊」である。既に基金訓練においてその弊害は指摘されていた。

のであり、

>このモラルハザードを防ごうとすれば、訓練への入口でその意欲を厳しく判定する必要がある。それは裏返して言えば、本制度のセーフティネットとしての役割を限定するということでもある

というわけなのです。

このあとは、さらに腕によりをかけた(?)相当にあくどい生活保護批判です。これまた、読めば不愉快になること間違いなしの文章ではありますが、それだからこそ、きちんと向かい合う必要があることも確かでしょう。

おそらく、『正論』1月号で、一番不愉快だけれども、一番読まれる値打ちのある文章かも知れません。

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コメント

不真面目な人をふるい落とすには
定期的にチェックを入れればいいだけです。

今のIT系の職業訓練が「一時的な生活保護」と言われるのは
その圧倒的な就職に結びつかない
(受講者で就職した人は殆どハローワークを介さず自分で職を見つける)
ことにあるわけで、100%就職できるようにすればいいわけです。

まあ、企業がほしがってるのは経験者かほんとに若い人だけなので
年食った人が通ってもIT系だと再就職は難しいのが現状です。
ここ改善しないと職業訓練が「穀潰し」扱いされてもしょうがないかと思います。

Dursanさん

私もあまり自信はないのですけれども、どうも、理屈の筋道が逆転しているように感じられるのですが…。

>定期的にチェックを入れればいいだけです
といっても、それでばっさばっさとふるい落としてしまえば、
そもそも政策の目的の一つであるセーフティーネットとしての意味が無い上に、
ふるい落とされた人が再就職へと向かうことを阻害してしまい、
ますます生活保護へと向かわざるを得なくなる、
というのが、「トリレンマ」論文の趣旨ではないのでしょうか。
そう簡単に「すればいいだけ」と断定するのは、いささか早計に思われます。


もっとも、その後の文章を読みますと、Dursanさんは、
そもそも職業訓練には再就職支援機能が存在しない(もしくは極めて限定的である)、
という風に捉えられているように思われます。だからこそ、
 >100%就職できるようにすればいいわけです
という主張につながるのだと思います。

しかし、「100%就職できる」というのがやや誇張表現なのはおくとしても、
そもそも政策の趣旨は、「モラルハザードとの戦いの歴史」を克服する点に、
つまり、生活保護と就労との間の極めて大きい断絶に橋を架けようとする点にあるはずです。


ですから、
 >まあ、企業がほしがってるのは経験者かほんとに若い人だけなので
 >年食った人が通ってもIT系だと再就職は難しいのが現状です。
 >ここ改善しないと職業訓練が「穀潰し」扱いされてもしょうがないかと思います。
とおっしゃるような状況を改善して、「100%就職できるようにする」ためにこそ、
この「穀潰し」なる制度があるのではないでしょうか。

もちろん、そんなことは百も承知だということでしたら、申し訳なく思いますし、
ただでさえ公的な職業訓練が縮小の一途を辿ってきたとされるなかで、
現行制度が完全でないならではどういう風に完全にしていけばよいのか、
となると、勉強していていつも立ち止まってしまう点ではありますが…。

night windさん

私、職業訓練経験者です。

ふるい落とすべきなのは所謂「不正受給」に準ずる人たち
経験的に一定数「再就職するつもりもないのに、受講できちゃう」
と言う人がいるんですわ。
もちろん、講習はまじめに受けないと言うか来ません。
こういう方には、支払う必要はないかと。

再就職についてはIT系は職業訓練を受けただけでは受けいれてくれません。
真面目にすべて高得点で修了したとしてもです。

受けただけではブランクになってしまうリスクも背負うわけです。
講習科として積極的に採用をとりに行ってくれているわけでもないので
再就職のほとんどは自力です。

全く意味ないとは言いませんが、
効果としてはデンマークの爪の先ほどもないのではないでしょうか。

目指すべきところはどうあれ、これが現実です。

Dursanさん

そうでしたか。自分の机上の勉強の甘さを痛感させられます。
職業訓練がアクティベーションになり得ていない(そもそも就労する気がない)のですね。
求職者支援法(8条?)も、Dursanさんがおっしゃるような人たちには返還命令を認めているとはいえ、
気のない人をその気にさせるのは、なかなか難しい、と。

とはいえ、そういった真面目でない人々については、じゃあ生活保護でカバーしましょう、ということが、
果たして今の状況でできるのか、と考えると、いささか暗澹たる見通しになりそうですね…。

(素人の思いつきの域を出ませんが)トライアル雇用とリンクさせていくとか、
もし現行制度の成果が芳しくないとなると、更に対策が打たれるのだとは思いますが、
なんにせよ、もっとまともに勉強してから口を挟むことにします。

night windさん

自分の経験上からいくと
IT系の就職が難しいのは
システム的な不備よりも商習慣の問題のほうが大きく
法がなかなか介入できないところかと思います。

嫌な言い方になりますが
無理やり押し付けるしか無いかと。

昨年、大晦日のTBSラジオで評論家の大宅昌子がこの「正論」の記事をネタに社会保障のバラマキ政策を批判するスピーチをしていましたので、私は気になってパソコンで「正論」を検索して大まかな論旨を理解しました…>

実は私は、基金訓練と昨年12月まで「求職者支援制度」を受けていました。言わば恩恵を受けている当事者です。

ある特例、一部の怠惰なインチキや不正受給が針小棒大に取り上げて、それを制度や政策全体へ拡大解釈するのが、政治論争の常套手段とはいえ、一度雑誌の論文として掲載され、さらにポプュラーな政治批評家によってラジオでアナウンスされると、たとえそれが誤解や極論であっても「正義」や「真実」になってしまうのが恐ろしいですね…。

中宮崇の論文にはやや誤解があるようです・・・。制度自体をよく知らずに外側から見て内部にいる人間を自分で取材していない暴論もありそうです・・・。私は、自分で取材しない肩書きだけのジャーナリストを信じません。

むしろ私は雇用保険も受給できない失業者を救済する低額で未熟で杜撰であった旧「基金訓練」をさらに後退させて、財源削減のために骨抜きにした「求職者支援制度」を社会保障にもならない誤魔化しの政策と思ってます。

本来ならば、失業や転職に際してもっと充実した職業訓練制度と、仕事や就職が決まるまでスキルや知識や資格を見につけられる失業保険制度と支援が必要なのにな・・・。むしろ私は、民主党に政権を取った時の理念に早く戻って欲しいです・・・。


流石埜魚水です。投稿した中で「大宅映子」を大宅昌子と書いたようです。「人の名前も満足に書けないで、他人のコメントへ批判めいたことがよく書けるわね・・・。」と逆に辛口の批判を受けそうで゛す、訂正してお詫びいたします。実は「ウィックペディア」で調べたのですが、経歴紹介を読むとなんと「ホリプロ」所属と書いてあるのでまたビックリしました。最近、テレビによく出演するコメンテーターが「吉本」に所属だったりするので、特に珍しいことではないのでしょうが、果たして有識者として政府の何とか「委員
」に所属したりしていて、時の権力や経営者に迎合するような姿勢と意見に陥らないものなのでしょうか…?

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