大阪市と生活保護
そもそも、急増する生活保護受給者に対して、厚生労働省で生活保護制度に関する国と地方の協議を進めさせ、制度が動き出そうというところまで持ってきたのは、平松(前)大阪市長をはじめとする政令市長会であったわけですが、
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-0bb2.html(求職支援拒否なら保護費打ち切り)
大阪市民の皆さまは、それでは生ぬるい、と判断されたようです。
これから大阪市でどのようなことが起こっていくのか、わたくしには何とも判断しかねるところがありますが、少なくとも、現に大阪市が直面する最大の課題が、急増する生活保護費であることは明らかなのですし、このような発言もされてきているところからすると、
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/111105/waf11110518000022-n1.htm(生活保護問題「大阪都の政治パワーが必要」と橋下氏)
>橋下氏が「国に(制度改正を)申し入れていくには、大阪市には無理。市や府ではなく、大阪都の政治パワーが必要」と主張したのに対し、平松氏は「今、国と地方の協議の場もできている。協議は予定よりも遅れている部分もあるが、今までの自治体の中でこうした動きをしているのは私が初めてだと思う」と反論した。
橋下氏は「生活保護費は国が全て負担すべきだと思う一方、(受給の)認定を自治体がやる以上、自治体が負担しなくてはならないところもあるとも思う。絶対に働けない人には100%保障だが、働ける人には支給を減額するかどうか中身を詰めなくてはならない。そうしたことは、就労との兼ね合いでやらなくてはならない」と述べた。
平松氏は、国への働きかけについて橋下氏が「大阪市では無理」と断じたことに対し「(すでに)させてもらっている。全国の政令市とともに取り組みを進めている」と反論。「生活保護の前提は弱い人は絶対助けるということ。そうした制度が不正受給の対象になったりしている。中には不適当な事務もあるかもしれない」と問題点を指摘し、「そうした情報も公開していかなくてはならないと考えている」と語った。
http://hochi.yomiuri.co.jp/osaka/topics/news/20111123-OHO1T00080.htm(橋下氏&平松氏が公開ラジオ討論で“場外乱闘”…大阪市長選)
>スタジオに招かれた市民45人を前にした公開討論。巧みな挑発で、場外戦のゴングを鳴らしたのは橋下氏だった。「(自身が)市長になれば、生活保護の不正受給に厳しく対処する。今の大阪市はゆるすぎる」と、平松市政を痛烈に批判した。
放送中こそ「ここは政策を討論する場」と感情を抑えて冷静に振る舞った平松氏だったが、終了後に怒りが爆発。「ゆるすぎる? 事実無根だ。我々が生活保護に関しプロジェクトチームを作り、どれだけやっているか」と吐き捨てると、「もう話さない」と続いて予定されていた23日放送分の収録をキャンセルしそうになった。
現行法に基づき対応しつつ、国に制度改正を求めていくといういままでの路線の範囲内で収まるかどうか、正直判断しかねるところがあります。
施行されたばかりの求職者支援法にも、どういう影響が及んでいくことになるか、という問題もありましょう。
いろんな意味で、大阪市における生活保護問題には注目していく必要がありそうです。
(参考)
大阪市HPより、生活保護の適用状況
http://www.city.osaka.lg.jp/kenkofukushi/page/0000086901.html
大阪都なんていうどうせできもしない話は国との喧嘩のタネにするだけで、現実の「実績」は、こちらで「働ける人間がもらっているのは許せない!」と、ばさりとやることになる可能性が高いように思われます。
おそらく、生活保護基準以下で必死に生活している膨大な数の大阪市民たちが、痛快な「怠け者退治」劇に、怒濤の如き拍手喝采するというシナリオが目に浮かびます。
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