日経・経済図書文化賞に労働関係書2冊
本日発表された日経・経済図書文化賞に、労働関係から2冊入りました。4冊中2冊ですから快挙ですね。
http://www.jcer.or.jp/bunka/bunka.html
>◎太田聰一 著
「若年者就業の経済学」(日本経済新聞出版社)
◎斉藤淳 著
「自民党長期政権の政治経済学―利益誘導政治の自己矛盾」(勁草書房)
◎菅山真次 著
「『就社』社会の誕生―ホワイトカラーからブルーカラーへ」 (名古屋大学出版会)
◎小堀聡 著
「日本のエネルギー革命―資源小国の近現代」 (名古屋大学出版会)
太田さんの若者就業も、菅山さんの就社社会も、今日的課題に取り組んだ優れた本ですので、とてもよろこばしいと思います。
お二人の受賞の言葉もアップされています。
http://www.jcer.or.jp/bunka/pdf/54ota.pdf(「若年雇用」視野広げ議論を)
http://www.jcer.or.jp/bunka/pdf/54sugayama.pdf(「日本的雇用」の過ぎ去らない過去)
本ブログでも下記の通り取り上げましたが、拙著『日本の雇用と労働法』ではごくごく簡単に要約してある日本型雇用システムの形成史を詳しく勉強したい方にとっては、必読の文献です。
>・・・歴史はただ過ぎ去ることはない。それは、新卒就職・終身雇用がすでに過去のものになったといわれる今日においても、なお真実である。いま、求められているのは、「日本的」伝統が孕む問題性に鋭く自覚的でありながら、なおかつ、その最もすぐれた部分を生かしていくという視点に立つ、制度改革へのアプローチなのではないか。・・・
まことに、金子良事さんの言葉を借りれば
>日本労働史の通史としては兵藤つとむ『日本における労資関係の展開』以来の名著であり、評者の個人的意見を言えば、この分野で今まで書かれたものの中で文句ナンバーワンである。
という名著の著者にふさわしい言葉です。
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/post-b3b7.html(菅山真次『「就社」社会の誕生』)
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/on-6796.html(金子良事 on 菅山『就社社会』)
« ハイエクの大予言 | トップページ | 学習と労働の組み合わせ »
コメント