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2011年11月27日 (日)

御迷惑星さんの拙著書評

「御迷惑星」さんのブログで、拙著『日本の雇用と労働法』を取り上げて書評していただいています。

http://gomeplanet.hatenablog.com/entry/2011/11/25/234707

>読後感として、何より強烈に印象に残ったのは、戦中の雇用制度の有り様と、戦後そこからの変遷ですね。戦中の制度が、いまだに現代社会の雇用制度の中に生きてるのではないかと。雇用法、労働協約、就業規則という枠組みが、段階的に雇用契約について用意されているものの、戦中制度の紆余曲折を経て、この段階的な枠組が捻れてしまっているということ。最近、戦後が終わっただのという表現が散見されたけれど、酷い言い方をしてみれば、雇用制度について戦争が全然終わってないじゃん!と思わされるわけです。

法制度の歴史とか、面白い本は山程あるんだろうけれど、私は本書ではじめてコレを知った。「法律は生き物」って喩えが、どんだけ妥当なのか知らんけど、正にそう思えるもんな。というか、そんな事例ばかりだ。

職工、親方、ブルーカラー、下級ホワイトカラー、上級ホワイトカラー、中卒、高卒、大卒、などなどのキーワードを中心にして読むと、被雇用者の様態と取り巻く制度の変化していく様が分かりやすい。およそ一世紀の期間における日本社会の労働のあり方の変化だよ。なかなか想像が難しいものだ。

と、まさにわたくしがねらった歴史の変遷の中で現在の法制の姿を立体的に見るという視点を理解していただいています。

とりわけ、

>しかしまた、本書の説明する歴史的経緯があるからこそ、後者の様態が今ここにあるのも確かであって、では制度本来の姿に沿ってないのがマズイのかというと必ずしもそうではない。かつてを知り、そこから未来を模索して、適確な法制度と雇用体制を築いていこうよというね、そういう知恵の活用と誠実さを持ちたいよねというのが暗に、勝手に受け取ったメッセージであります。

という評語は、単純にそれがいいとか悪いとかという話に落とし込まずに、それがさまざまな立場の者のさまざまな利害の練り合わされた化合物として構築されてきたという歴史の重みを伝えたいという私の思いをも的確に捉えていただいています。

最後のところで、金子良事さんとのブログ上でのやりとりについて、

>トーシロには何やら分からん部分もあるけれどもさ、部外者なりに楽しめる素敵な応酬なので、時間があるときに読むといいですね。

と紹介いただいています。

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