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2011年11月14日 (月)

孫田良平「戦時労働論への疑問」 by 風のかたちⅡ

本ブログで折に触れ語ってきたように、わたくしの日本労働史についての認識の基本構造は、孫田良平さんの議論にあります。

たまたま、「hidamari2679」さんの「風のかたちⅡ」ブログで、菅山さんの大著に続き、孫田論文が取り上げられているのを見つけ、改めてこちらでもコメントをしておきたいと思います。

hidamari2679さんは、まず、菅山真次さんの大著『就社社会の誕生』についてその意義を述べ、

http://ameblo.jp/hidamari2679/entry-11074238636.html(菅山真治『「就社」社会の誕生』を購入)

>労働史、教育社会学、経済史・経営史の業績に基づく学際性の成功が際だつ、簡単にいえば、おいらの知らないいろんな研究の知見を駆使して、かけらほども知らなかったり、薄ぼんやりとしか見えていないものにはっきりとした光を当ててくれることが「新鮮」「斬新」と感ずる根っこなのだろう。

続いて、同書の

>「日本的」雇用慣行は、高度成長の時代に突然姿を現したのではない・・・ユニークな慣行や制度を生み出す種子は、西欧からの技術移転を主軸に勧められた日本の産業化過程それ自体の裡にすでに胚胎していた・・・その種子は、産業化のスタートとともに発芽・成長し(日清・日露戦争前後期)、やがて大きなつぼみをつけ(戦間期)、そして苛烈な夏の暑さのなかで開花した(戦時・占領期)。むしろ、1950年代以降の高度成長期は、最後の結実の秋に当たっていたというべきかもしれない。

という記述から、

>菅山本がいう「苛烈な夏」の意義を明らかにしたという孫田良平「戦時労働論への疑問」(日本労働協会雑誌、1965年7月)に手を伸ばしてみた

というつながりで、孫田論文を紹介します。

http://ameblo.jp/hidamari2679/entry-11074319826.html(孫田良平「戦時労働論への疑問」)

>しかし、それと並べてみても、昭和40年という早い時期に戦時期の持つ意味に着目した孫田論文の先駆性は十分に伝わってくる。個人的には、仕事のうえでも断続的にお世話になった先生なのだが、こうした歴史研究の論文をものされていたことに畏敬の念を新たにする。

正直言えば、孫田論文を読まれてしまうと、わたくしの云ってることのネタ元がどこにあるのかがあからさまに分かってしまうくらいです。それくらい、圧倒的な影響を受けています。ご本人にお目に掛かったのは、わりと最近なのですけれども。

(参考)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-58cf.html(従業員の能力は陳腐化・・・してますよ、半世紀前から)

>金子良事さんの言うように、拙著序章は既存の議論のまとめに過ぎないのですが、できれば、同じく既存の議論のまとめ的な晴山さんの本とかじゃなくて、原典である昭和同人会の上の本とか、孫田良平さんの本とかを示して、「お前の言っていることは、労働省の大先輩が言ってることを要約しているに過ぎない」といって欲しかったですね。

ついでに言うと、金子美雄、孫田良平といった官庁賃金屋の議論とともに、田中博秀さんの日本的雇用論が私の議論のベースです。それは読む人が読めばすぐ判ることですが。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-5545.html(池田信夫氏の「書評」)

>属性攻撃でもって中身の批判に代えるというのは池田氏の毎度おなじみのやり口ですので、まあ、リンク先の文章をじっくり鑑賞してもらうことにして、もう一点の「俺も同じことを言っていたんだぞ」について。

>これは、労使関係史研究者の金子良事さんの批判がもっとも適切です。拙著の序章で示している認識枠組みは、労働研究者の中ではごく普通に共有されているものの一種であって、たかが10年前に池田氏が博士論文を書いて始めて提示したようなものではありません。

>金子さんへのリプライでも述べましたが、わたくしの場合、その原型は孫田良平さんや田中博秀さんといった労働省出身の官庁エコノミストから得たものです。この辺については、金子さんへの応答の一環として、そのうちきちんと彼らの著作を引用しながら示したいと思っています。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/post-b9e5.html(労働ペンクラブのヒアリング)

>本日、労働ペンクラブに呼ばれて、ヒアリングということで、いろいろとお話しして参りました。労働ペンクラブですから、労働業界の大先輩がたくさんおられることは承知しておりましたが、最前列でわたくしの目の前に孫田良平大先生が座っておられたのは想定外でありました。

何しろ、孫田先生の目の前で、日本型雇用システムの原型は戦時中の国家総動員体制で企業に押しつけられた仕組みを、戦後の労働運動が維持強化して云々というようなことをぶってきたのですから、冷汗三斗であります。

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