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2011年10月19日 (水)

伊岐典子『女性労働政策の展開―「正義」「活用」「福祉」の視点から―』

Iki JILPTの伊岐典子さんが労働政策レポートとして『女性労働政策の展開―「正義」「活用」「福祉」の視点から―』を取りまとめました。

http://www.jil.go.jp/institute/rodo/2011/009.htm

同じ労働政策レポートとして、昨年わたくしは『労働市場のセーフティネット』(http://www.jil.go.jp/institute/rodo/2010/007.htm)を出していますが、これが雇用保険制度を中心にわりと狭い範囲の法政策に絞ったものであったのにたいし、伊岐さんのは戦後女性労働政策史を総体として取り上げたかなり浩瀚なものになっています。

>・・・この労働政策レポートは、そのような観点から、現在の法政策の淵源をたどる意味も含め、戦後の女性労働政策の発展過程を記述している。その際、「正義」「活用」「福祉」の3つの政策視点を試論として提示し、これを用いて個々の政策やその変遷を分析している。

>・・・女性労働に係る法政策について、網羅的に、かつ時系列的に整理した資料は、少なくとも近年においては、あまり世の中に提供されていないので、国または地方公共団体において、女性労働関係政策の立案に当たる方々等の執務資料や研修資料として活用が期待される。

 また、試論として提示した「正義」「活用」「福祉」の政策視点は、女性労働をめぐる法政策が、男女平等、ジェンダーバイアス解消といった単一の方向性のみで発展してきたものではなく、今後も様々な経済社会の課題を解決を担うべき政策課題として多角的に議論されるべき問題であることについての留意を促し、さらなる政策論議を喚起することを期待している。

はじめに・・・このレポートのねらい
第1章 概説
第2章 「正義」視点中心の黎明期(1945~1952)―第二次大戦直後から婦人少年室設置まで―
第3章「福祉」視点、「活用」視点が生まれた模索期(1952~1975)―婦人少年室設置から国際婦人年まで―
第4章 「正義」視点内のパラダイム転換に苦闘した変革期(1975~1986)―国際婦人年から男女雇用機会均等法の施行まで―
第5章「活用」視点が顕在化し「正義」視点の平等が進んだ発展期(1986 年~2001 年)―男女雇用機会均等法施行から雇用均等・児童家庭局誕生まで―
第6章 「福祉」視点及び「正義」視点の広がりとともに政策効果が問われる転換期(2001 年~2010 年)―雇用均等・児童家庭局発足以降―
第7章 むすび

これに対応する領域は、かつて『労働法政策』をまとめるときにわたくしも一通り資料に目を通してはいますが、やはり女性関係行政に一度も携わったことのないわたくしと、最後は局長として女性関係行政に携わってきた伊岐さんとでは、この分野で掌を指す感覚が違うことがよく分かります。

ご存知の方もいるでしょうが、伊岐さんは男女雇用機会均等法の制定時に担当係長として関わっています。数少ないプロジェクトXな「女たち」の一人です。

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