阪大教授の賃金不払い
産経の記事ですが、
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111025/crm11102509230006-n1.htm(元教授、元研究員の女性に“ただ働き”要求 阪大が賃金未払い300万円)
>大阪大大学院医学系研究科の森本兼曩(かねひさ)元教授(65)=詐欺容疑で書類送検=による不正経理事件に絡み、元教授の研究室に在籍していた元研究員の女性(53)に対し、阪大が賃金の一部を支払っていなかったことが24日、わかった。元教授側が“ただ働き”同然の勤務を要求していたといい、女性は「働いた分の賃金をもらえず労働基準法違反にあたる」として茨木労働基準監督署(大阪府茨木市)に申告。阪大は今月中旬、未払い賃金として約300万円を女性に支払った。
関係者によると女性は平成19年4月~22年3月、森本元教授の研究室で、研究室が受託した研究を手伝うなどの非常勤の「特任研究員」として勤務。元教授側が決めた時給などの労働条件で、阪大と一定期間ごとに雇用契約を結んでいた。
当初、女性の雇用契約は週20~24時間程度勤務する内容だったが、元教授側から契約上の勤務時間を減らすようたびたび要求され、業務内容は変わらないのに、20年8月から段階的に減少。21年6月から22年3月の間は週2~3時間だけの契約となっていた。
実際には女性は元教授側から従来通りの勤務を要求され、多い時には週5日、1日10時間以上働くこともあったが、賃金は契約通りの週2~3時間分しか支給されなかったという。
女性は退職後の今年6月、時間外勤務として未払い賃金を支払うよう阪大に請求。阪大が「給与は問題なく支払われている」などとして応じなかったため、7月に労基署に相談した。
阪大は、労基署から事情聴取を受けた後、女性が保管していた勤務記録などをもとに未払い賃金を約300万円と算定し、10月に全額を女性に支払った。
女性には、21年5月以前も同様の未払い賃金があったが、労働基準法で時効となっており、請求はしていないという。
なんだか、超零細企業のオヤジのやることみたいな感じですが、法形式上は阪大が雇用主であっても、実際の感覚ではこの教授が雇用主みたいな感じだったのでしょうか。だとすると、研究室という小さな集団は、それ自体がワンマン経営の零細企業で、オヤジが「給料はオレに戻せ」といえば、それで通ってしまうとか。
なんにせよ、アカデミックな世界が一番ハラスメントもきついし、こういう労働法違反も横行しているのかも知れません。
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コメント
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研究室の環境、あるいはそれにとどまらずに師弟関係を、労使関係の観点から「正常化」することが、学生が社会に出てから労働環境の悪化に手を貸すことを防止する効果があるかもしれませんね。
一般教養で労働法が今以上に講ぜられることも必要なのでしょうけれども。
投稿: 小野山 | 2011年10月30日 (日) 11時30分