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2011年10月 7日 (金)

「労働のある」コーポラティズムって?

JILPTのコラム、今回は今年研究員として入ったばかりの西村純さんです。

http://www.jil.go.jp/column/bn/colum0184.htm

知ってる人は知ってると思いますが、西村さんは、このご時世に、石田光男先生の下で、あえて労使関係、それもスウェーデンの労使関係を研究してきた期待の若手研究者ですが、

>・・・日本は、「労働なきコーポラティズム」と言われている 。では、逆に「コーポラティズム」の国の労働とは、言い換えればそうした国の労使関係とは、一体どのようなものなのか。普通、スウェーデンと言えば、もっと他に興味深いテーマが沢山あるはずなのだが、労使関係、しかも伝統的なブルーカラーの労使関係を勉強しようと思ったのは、「労働のあるコーポラティズム」の労働の部分を知りたいという、素朴な思いからであった。・・・

>・・・で、結局のところ何が分かったのか。分かったことは、杜撰な人事管理の存在と、やんちゃで少年のような大人達(組合員)が存分に職場で交渉力を発揮している、という他愛もないことであった。スウェーデンでも賃金に能力査定が導入されている。しかし、職場のほぼ全員が最高評価を受けていたり、年々の事業所レベルの労使交渉で青天井に賃金が上がっていったりと、とても経営による人事管理が行われているとは思えない有様であった。と同時に、その成果を誇らしげに語る組合員は、さながら腕白小僧のようであった。こうした発見の結果、「労働のある」とは、この職場交渉のことを指しているんだな、ということが初めて分かった。

もちろんこれは、他愛もないことだけれども、社会的連帯が成り立っていると言われ、とかく産業レベルやナショナルレベルの労使関係の存在が強調されるスウェーデンの職場が、杜撰な人事管理とそれに乗じた職場交渉によって成り立っていたという事実は、日本の社会的連帯のなさ、精緻な人事管理との対比で、非常に興味深い事実として、自分自身の目に映った。この職場労使関係の姿こそが、スウェーデンと日本の労使関係の最大の相違点なのではないだろうか。・・・

いろんな意味で、すっごくインプリケーションのある発見ですよね。

も少し詳しい話を聞きたい人は、今年のJIL雑誌の

http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2011/special/pdf/064-076.pdf(スウェーデンの労使関係──企業レベルの賃金交渉の分析から)

をお読み下さい。

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