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2011年10月28日 (金)

いじめ・嫌がらせ専門相談員

9月28日の労働政策審議会(本審)の議事録がアップされました。総花的な内容ですが、他の分科会や部会には出てこないような興味深い話もありますので、若干紹介しておきます。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001td0e.html

まずは、労働局の総合労働相談コーナーにいじめ・嫌がらせ専門相談員を配置するという話題。電機連合の齊藤委員が質問して、苧谷地方課長が答えています。

>○斉藤委員 私からは、良質な労働環境の確保につきまして、総合労働相談コーナーにおける相談員についてご質問とご意見を申し上げたいと思います。

 労働相談につきましては、連合でも47都道府県の地方連合会で、全国共通のフリーダイヤルを含めまして、随時、相談を行っております。実際、相談者の方の声を聞きますと、行政機関に相談したがたらい回しにされたという声や、行政の労働相談を受けた際に、相談者の資質にちょっと問題があるのではないかと感じて連合に相談した、というケースも少なからずあるという報告がなされております。本日のご説明の中で、「『いじめ・嫌がらせ』といった相談が増加するなど、複雑・困難化している個別労働紛争の円滑かつ迅速な解決の促進を図る」という観点から、「総合労働相談コーナーに高度な知識を有する相談員を配置する」ということが示されておりますが、ここで想定しています「高度な知識を有する相談員」というのは、どういう資質を有する方なのかということを具体的にお伺いしたいと思います。

 また、この相談コーナーに平成24年度からいじめ・嫌がらせ専門相談員を新設するという話も聞いております。相談員の増員もさることながら、現状の相談員の相談体制の質を向上させるということも考える必要があるのではないかと考えます。この点では、雇用・能力開発機構で就職支援を具体的に行うに当たりまして、就職支援の指導員の方が就職支援の悩みを明らかにして、受講者個人に対する就職支援の行動を例示するというツールも作成しているという話を聞いております。年間、100万件を超える労働相談におきましても、相談の内容を類型化して、その成功事例、失敗事例を活かす工夫を検討されたらどうかと考えております。また、相談体制につきましても、組織的、体系的に人材をどう選定して投入していくのかという視点も重要だと思いますので、その件につきましてもご検討いただければと考えます。・・・

>○苧谷大臣官房地方課長 斉藤委員ご指摘の総合労働相談コーナーの件ですが、近年、いじめ・嫌がらせに関する相談件数は非常に増加しているとともに、これらの分野も含めて個別労働紛争の事案が複雑化しているということから、質の向上のために、来年度は高度な知識を有する相談員を47人要求するということにしています。

 この相談員に求められる資質は、まず労働分野に関する基本的な知識、これは当然ですが、それに加えて相談者がメンタル上の問題を抱えていることも多いことから、このような相談者に対応できるカウンセリング等の能力、実際に一定の配慮が必要な相談に従事した経験、このようなものを考えており、これらを有する方々を採用することを考えています。採用後、最新の研修、あるいは実施の相談事例から抽出した事例を基にした参加型の研修の実施を予定しています。この相談員が労働局に戻り、これらの研修の成果を他の一般の総合労働相談員にも伝えていただいて、本省でもそれ以外に相談好事例・失敗事例も含めて収集して、労働局に情報を提供することにより、相談の質の向上を図っていくことを考えています。

ということだそうです。

やはり、いじめ・嫌がらせが多いということに加えて、メンタルヘルスがらみの相談が多いわけで、産業医の方面だけでなく、こちら労働相談の方面でもメンヘルの知識がますます重要になって来つつあるということなのでしょう。

その他の事項は、だいたい各分科会、部会で議論されていることですが、それらを超えた、全体的な、そしてある意味で政治にも関わる問題について、冒頭JAM出身の津田弥太郎政務官が触れ、後の方で岩村正彦先生がコメントしていますので、それぞれ引用しておきます。熟読玩味して欲しい肝心の方々が読むかどうかは分かりませんが・・・。

>○津田厚生労働大臣政務官 おはようございます。野田内閣の発足に伴い、前任の小林政務官に代わりまして雇用労働分野の担当政務官となりました、参議院議員の津田弥太郎と申します。・・・

 言うまでもなく、この雇用労働分野におきましては、国際的にはILOがございますし、各国労使同数参加の審議会を通じた政策決定を行う旨が規定されております。私は、国会にまいりまして、この労働政策審議会の重みというものを非常に強く感じているわけでございます。とりわけ、身から出た錆でございますけれども、我が党の行政刷新会議等々でさまざまな取組みがされる中で、地域主権ということの中で、ハローワークの地方移管という問題提起がございました。この労働政策審議会におきまして、まかりならぬというご判断をいただいたことに対しましては、大変力強く思った次第でございます。私も、国会の中では当然のことであると思って取り組んできたわけでございますけれども、本当に皆様の賢明なるご判断に感謝を申し上げたいと思うところでございます。・・・

>○岩村委員 簡潔に3点だけ申し上げておきたいと思います。・・・

 3点目は、予算編成と若干関係するのでしょうか、あまり関係ないかもしれませんが、事業仕分けについてです。先ほど政務官も言及されましたが、事業仕分けにおいては、どうしても個別の事業を対象として審査をするということから、往々にして政策全体を見渡した中での事業の位置づけという視点が欠落すると。そのことはすでに労働政策審議会関係でも、例えばジョブ・カードの問題とか、労災保険の労働福祉事業の問題であるとかという形で具体的に現れているところです。また、事業仕分けとは直接関係しませんが、職業訓練が、例えば求職支援との関係で重要であると、政策的には重要なはずなのに、なぜか能開機構が廃止されてしまうとか、政策全体の一貫性という観点からの視点が、どうも欠落をしている気がします。また事業仕分けはやられるようですので、当局方におかれましては、そういうことも念頭に置きながら一生懸命対応していただければと思います。とりわけ政務官もおっしゃったように、特に労働政策については、公労使の三者の審議による政策決定を行っていますので、そういったものについての理解も進めていただければと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。

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