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2011年10月 9日 (日)

脇田滋編著『ワークルール・エグゼンプション』

1106069604さまざまな個人請負就業の労働者性が話題になるこの時期に、なかなか時宜に適した一冊。取り上げられている「非労働者」たちの「非労働者」性自体もさまざまで、そういちがいな議論もできにくいのですが、「へえ、こういうのもあるんだ」という発見もあります。

第1部 守られない働き方

「生きがい就労」には雇用のルールはなじまないのか―シルバー人材センターの問題点;

福祉的就労に従事する障害者は労働者ではない?―障害者の就労と労働者保護;

医師「聖職者」論がまかり通る病院―勤務医、研修医、大学院生の労働問題;

違法な天引きや労災時の使用者責任はどこに?―新聞奨学生の労働問題 ほか

第2部 労働法抜本改正、実効性のある「働くルール」の確立に向けて(労働法を無視する雇用慣行の広がり;労働者保護をめぐる国と使用者の責任;労働法の規制緩和と脱法形態の蔓延;個人請負労働者保護をめぐる課題)

巻末資料 ILO「雇用関係に関する勧告(第一九八号)」より

たとえば冒頭のシルバー人材センターですが、これは失業対策事業の後始末という面と、高齢者の生き甲斐就労という側面をもって、意識的に政策的に雇用関係ではないということにして事業展開してきたわけで、そこにはそれなりの合理性が存在したからそうなったのは確かなのですが、一方で労働基準法の労働者であるかどうかは、雇用政策上こう位置づけられているからということで決まるわけではなく、就労の実態で決まるわけですから、たとえばシルバーで就労していて労災にあったというようなことは起こりうるわけです。

その次の福祉的就労もやはり似たようなもので、福祉政策の観点からするとうかつに労働者だと言ってしまうと就労の場が失われてしまうというのは確かなのですが、とはいえ、労働基準法上の労働者であるか否かは、実態で判断されるという大原則に替わりはないわけです。

このあたりは、「ケシカラン」型の運動だけでどうなるというよりも、労働者性を認めつつそれが就労の場の縮小につながらないような政策構想が必要な分野なのでしょう。

医師聖職者論というのは、いかなる意味でも労働基準法上考慮される論点ではあり得ませんが、研修医や特に大学院生の労働者性というのは、重要な問題ですね。特に、大学院生の労働者性というのは、あまり論じられていませんが、真剣に議論した方がいいかもしれない。

トピックとして興味をそそられるのが「使用者の曖昧で個人事業主を偽装される銀座ルール-ホステスの労働問題」という第7節。銀座のホステスというのはつらい商売のようです。ある店のホステス店内規則。「同伴」というのは、出勤前にお客と会って一緒に食事をしたりしてそのまま店に連れてくることだそうです。

>【同伴】月間同伴ノルマは最低4回~6回とします。ノルマに満たさない場合は、1回につき保障の100%のペナルティとします。同伴出勤はPM8:30までとし、以降の出勤は15分につき保証の10%のペナルティとします

あと、アニメクリエーターの働き(働かせ)方が、まさに「生き甲斐の搾取」の典型になっていますね。

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