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2011年10月27日 (木)

司法修習生の労働者性

uncorrelatedさんの「ニュースの社会科学的な裏側」ブログが、司法修習生への給費制を貸与制に変える問題について、世の議論とはひと味違った角度から論じています。

http://www.anlyznews.com/2011/10/blog-post_4269.html

>司法修習生への給費制を貸与制に移行する事で、法曹界では反対が根強い。しかし、その必要性は法曹界のアピール不足で明確ではないように感じる。法曹界は、(1)経済的負担、(2)人材の多様性の確保、(3)公共心や強い使命感の醸成、(4)兼職禁止や守秘義務等の代償と、過少供給問題の防止で給費制の必要性を主張しているのだが、実際に共感ができるのは、法曹界が主張しない司法修習生の労働者性を理由にした必要性だからだ。

特定の職業に就くために、かなり長期にわたるしかも他に代替性の極めて乏しい教育訓練を受けなければならない場合に、その教育訓練コストを誰がどのように負担するのがいいのか、というのは、なかなか難しい問題です。

司法修習は、司法試験に合格してこれから法曹となる人にしか有用性がない特殊な教育訓練であり、その内容はまさに法曹となってからやることの予行練習ですから、同じような高度専門職である医師で言えばまさに研修医に当たるわけですね。当該職種ぐるみのOJT。

研修医も医療界は労働者にあらずと言い続けてきましたが、過労死問題を契機に、裁判所がその労働者性を認めたわけですが、司法修習生の方は、過労死することはなくても、生活できないという問題が出てきたわけです。

ということで、この問題は、わたくしがかなり前から論じている研修生の労働者性の問題そのものになります。

http://homepage3.nifty.com/hamachan/europiano.html(「研修生」契約は労働契約に該当するか? --ユーロピアノ事件 )

ただ、uncorrelatedさんもいうように、むしろ興味深いのは、

>法曹人口の過少供給問題と言う経済政策的な側面よりも、司法修習生の労働者性と言う法的側面の方が、法曹界の主張をサポートする。

はずなのに、

>法律の専門家が、法的側面から給費制の存続を訴えなかったのは興味深い現象だ。

というところにありそうです。

やっぱり、エリート意識が強い人々は、自分たちが労働者だと認めたくないのかも知れません。

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コメント

司法修習生に給料を出すなと言ってる人が、防衛大学校や警察学校の生徒にも同じく給料を出すな、と言ってるのを聞いたことがないんだけどなぁ。いや、彼らも労働三権は全く認められてないけど労働者なんですよ?

アメリカでは石を投げれば弁護士に当たるとか言うほど
弁護士数をかなり増やしてるけど
アメリカに限らず、他の国では給料を出してるのかな?

私がいたベルギーでは、大学法学部を出たらすぐに弁護士になれると言ってました。
ある役人曰く、法学部出て弁護士やってたけど、政策がやりたくて労働省に入ったんだ、と。ふーーん。

わたくしが、日本では、役人になってから弁護士になる奴はいるけど、逆はいない、と言うと、大変不思議そうな顔をしていましたな。

この場合、大学そのものが職業教育機関として社会的に認められているということなのでしょう。レリバンスやなあ。

アメリカでは通信教育でも弁護士免許がとれると聞いたこともあるし、日本よりずっと簡単のようです。
それをそのまま日本の弁護士制度と比較するのはどうかと思います。

弁護士という資格を、医師のような高度な専門性を兼ね備えた、育成にコストが必要なものととらえるか、運転免許程度の誰でもちょっと努力すればあたえてもよい資格と考えるかは、その国の価値観でしょう。

後者にするならば、そもそも司法修習制度がいらないということにもなるでしょう。また、依頼者が自分でどの弁護士がいいか探し回らないといけないし、訴訟数も増えるでしょう。

私はそもそもロースクール構想でなく旧来の司法試験の方が受験資格の制限もなく機会平等だし、予備校に通うなり独学で合格しえて低コストだったし、よかったんじゃないのとは思ってます。

大学院の重点化によるPDの就職難と、弁護士の就職難は気の毒です。

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