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2011年9月24日 (土)

宮里邦雄+川人博+井上幸夫『就活前に読む 会社の現実とワークルール』

12296宮里邦雄+川人博+井上幸夫『就活前に読む 会社の現実とワークルール』(旬報社)をお送りいただきました。ありがとうございます。

http://www.junposha.com/catalog/product_info.php/products_id/707

これも、最近多い若者向け労働法の解説書の一つですが、有名な労働弁護士3人の共著ということで、他書にはない特徴があります。それは、全体の約3分の2近くを占める、具体的な企業名を出しての、「この企業で、こんな労働事件が起こったんだよ」というメッセージでしょう。

何はともあれ、目次を見ましょう。

はじめに―事件で学ぶ会社の現実

第Ⅰ部 会社で何が起こっているか―事件で知る
《文系職種》
電通(広告)―「靴でビールを飲め」パワハラと二四歳での死
日本マクドナルド(外食産業)―長時間労働と残業代不払い
オリックス(リース金融業)―二〇代女性総合職の死
クロスカンパニー(アパレル)―入社一年目の女性店長の過労死
兼松(商社)―男女賃金差別
関東リョーショク(食品卸売)―「残業月一五時間」の求人票で入社一年目の死
九九プラス(コンビニ業)―長時間労働ストレスと残業代不払い
日本ファンド(消費者金融業)―パワハラ
中部電力(エネルギー)―「結婚指輪をはずせ」パワハラと三六歳での死
小田急レストランシステム(フードサービス)―部下からの脅迫と五〇代での死
下関農業協同組合(農協)―共済・貯蓄勧誘ノルマと過労死
光文社(出版)―連日深夜までの長時間労働と二四歳での死
コーセーアールイー(不動産業)―採用内々定の取消し
《理系職種》
トヨタ自動車(メーカー)―QCサークル活動も労働時間に含まれる
キヤノン(メーカー)―日本経団連前会長の職場での過労死
東芝(メーカー)―「これからは土曜も日曜もないと思え」
沖電気ネットワークインテグレーション(システム構築)―産業医の指示さえ無視されて
富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ(システム開発)―地上波デジタル放送システム開発の犠牲
フォーカスシステムズ(システム開発)―官公庁に強いと言われるIT企業での労災死
ニコンとネクスター(メーカーと派遣会社)―深夜交代制勤務の派遣労働者の過労死
新興プランテック(メーカー)―月二〇〇時間の時間外労働の結果の二四歳での死


労働裁判として有名なものもあれば、労災認定された事例などふつうの労働判例雑誌ではお目にかからないものもありますが、「はじめに」でいうように、

>学生が接する情報というのは、企業が自己宣伝している情報である。・・・しかしながら、どのような企業にも程度の差はあれ、負の部分があり、本来は、この負の部分をも事前に知った上で就職することが望ましい。・・・

という考え方で、「会社で何が起こっているか」を「事件で知る」という企画になっています。

第2部は「就活前に知っておきたいワークルール―要注意会社の見分け方」ということで、ここは他書とあまり変わりありませんが、第1部を読んだ上で読むと、そうでなければさらっと読み飛ばした部分がいちいち目に飛び込んでくるようになるかも知れません。

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コメント

http://sankei.jp.msn.com/life/news/111119/trd11111900550000-n1.htm

過労死防止基本法制定へ 「100万人署名」目指す

「総会では、弁護団全国連絡会議の川人博幹事長が「20年以上にわたる取り組みは過労死問題を社会や行政に認知させたが、現在は将来の日本を担う20代の若者たちが、きつい労働環境で命を奪われているのが実態だ」と指摘。」

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