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2011年9月 9日 (金)

『日本の雇用と労働法』(日経文庫)が遂に刊行!

112483本日、わたくしの手元に、新著『日本の雇用と労働法』(日経文庫)が届きました。日経文庫のシンプルな装丁がいいですね。版元のHPでも、アマゾン等でも表紙の写真がアップされました。ほかの日経文庫とまったく同じです。入門書ということで、Fシリーズ、マークは緑色です。

http://www.nikkeibook.com/book_detail/11248/

書店に並ぶのは来週15日の予定ですが、ここで、まえがきを公開しておきます。

>まえがき
 
 本書はいささか欲張りな本です。「日本の雇用システム」と「日本の労働法制」についての概略を、両者の密接な関係を領域ごとに一つ一つ確認しながら解説している本なのです。
 書店に行くと、山のような数の労働法の教科書が並んでいます。いずれも法学部やロースクールの学生、法律実務家にとっては必要不可欠な「武器」ですが、他学部の学生や他分野で労働問題に関わっている人々にとっては、いかにも法解釈学的な理屈をこね回した叙述や膨大な判例の山が取っつきにくい印象を与えていることは否めません。
 一方、現実の労働問題を経済学、経営学、社会学などの観点から分析した書物もたくさん出ていますが、労働法的な観点はあまりないか、あってもやや突っ込み不足の感があります。
 文科系と理科系の断絶ほどではないにしても、法学系と社会科学系の間のディシプリンのずれは、労働問題というほとんど同じ社会現象領域を取り扱う場合であっても、なかなか埋まりにくいようです。
 本書は、経済学部、経営学部、社会学部などで労働問題を学ぶ学生にとっては、そこで学んでいる日本の雇用システムのあり方との関係で現代日本の労働法制を理解するための便利な一冊ですし、法学部やロースクールで労働法を学ぶ学生にとっては、そこで学んでいる労働法制がいかなる雇用システムの上に立脚し構築されてきたのかを理解する上で役に立つでしょう。いわば、「二つの文化」を橋渡しする有用な副読本です。
 また、企業や官庁、団体などで労働問題に携わる人々にとっては、現実を分析し、対策を講じていく上で、どちらの手法も必要になりますが、それぞれの分野の緻密で詳細な論文を読む前に、本書でざっくりとした全体像を概観しておくと、頭の中が整理しやすいのではないでしょうか。
 さらに、労働問題についてさまざまな立場から論じている各分野の研究者の皆さんにとっても、素人向けの当たり前に見えることばかりが書いているように見える記述の合間に、玄人にとっても意外な発見があるかも知れません。
 著者は二〇一一年度後期から法政大学社会学部で非常勤講師として「雇用と法」を講義することになり、そのためのテキストとして本書を執筆しましたが、労働問題を総合的に捉えたいと考える多くの読者によって読まれることを期待しています。
 なお、本書の内容についての分野ごとのさらに詳しい説明は、著者のホームページ(
http://homepage3.nifty.com/hamachan/)に収録した論文を参考にしてください。掲載メディアごと及び分野ごとに整理したリストから各論文にリンクが張ってあります。
 本書の刊行に当たっては、日本経済新聞出版社の平井修一さんに大変お世話になりました。心からお礼を申し上げます。
 
二〇一一年九月
                                 濱口桂一郎

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コメント

貴著拝読させていただきました。一点、誤植ではないかと思うのですが、p161「…日本の労働協約は依然として労働条件(規範的部分)よりも組合活動などに関する規定(債務的部分)が中心であり続けています。」の「規範的」と「債務的」は、逆なのではないでしょうか?

お読みいただきありがとうございます。

ご指摘の点は間違いではありません。ご指摘の趣旨がやや理解しきれない面もあるのですが、欧米の労働協約が個々の労働者の労働条件を具体的に設定する機能(すなわち「規範」を設定する機能)が中心であるのにたいして、日本ではその機能が大幅に就業規則に取られてしまっているために、組合が企業に対してどういう権利(それこそたとえば組合事務所を供与するとか)をもち、企業が組合にどういう義務を負うかというような「債務」的な機能を果たす部分が中心になると説明しているところです。

この「規範」「債務」の用語法は、ドイツ法から来たものですが、日本の労働法ではごく一般的に用いられるものです。

さっそくのご教授ありがとうございました。

どのような誤解をしていたか申し添えますと、労働条件は提供される労働サービス等の内容を定める「債務的」なもの、組合活動に関するものはそうした個別の債権債務関係から離れた労使関係のあり方を定める「規範的」なもの、と愚考した次第です。

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