永松伸吾『キャッシュ・フォー・ワーク』岩波ブックレット
永松伸吾さんから、岩波ブックレット『キャッシュ・フォー・ワーク』をお送りいただきました。ありがとうございます。
ネット上ではかなり人口に膾炙し、多くの人に知られているような感覚を持ってしまうCFWですが、活字の世界ではまだまだいくつかの雑誌記事になっているくらいで、正面からわかりやすく解説した本は、「はじめに」にもあるように、これまで存在してこなかった状態です。
http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/2708170/top.html
岩波ブックレットという多くの人の手に届きやすい形で本書がまとめられたことを、心から歓迎したいと思います。私の知識も、永松さんのブログ上の記事を読んでのものであり、こういう形で書棚に置いておけるのは嬉しいことです。
リンク先には、「はじめに」の一部が引用されていますが、ここでは、岩波編集部の中山永基さんの紹介文を:
>東日本大震災直後の2011年3月13日,Web上に「被災地にCash for Workを」という文章がアップされました.本書の著者である永松伸吾氏のブログ「減災雑感」の1記事です.そこでは,「キャッシュ・フォー・ワーク(Cash for Work; CFW)」という聞きなれい災害対策が提案されていました.
この提案はインターネット,特にtwitter上で大きな話題を呼びました.専門家と一般市民,被災者とそうでない人たちとの間で,震災から間もない時期に,本当に必要な対策はどんなものか,盛んに議論されたのです.3月23日には,永松氏を中心に,「CFW-Japan」という団体が結成されました.CFWは,これまでの社会運動とは異なる広がり方を示したといえます.その後はネット上の話題にとどまることなく,具体的な支援として現実化の動きをみせています.
CFWとはどのようなものなのか,震災後どのように活用されているのか,詳しくは本書をご覧ください.
上の表紙の写真では小さすぎて見えないかも知れませんが、茶色の帯の一番上のラインに「しごとをつくる、あしたをつくる」というコピーが書かれています。
あとがきに、この言葉の由来が書かれています。
>「しごとをつくる、あしたをつくる。」-この言葉はCFWの本質を非常によく現していると思います。本書で強調したかったことの一つは、CFWとは単に人々の生計手段を確保するための者ではなく、その仕事を通じて地域の復興に貢献するということが決定的に重要だと言うことです。ですから、CFWにおいてしごとをつくるということは、被災地の未来を創造するということに他なりません。
またその仕事とは、決して他から与えられるものではありません。被災した人々が被災地の復興を構想し、そのために必要な仕事を創出していくべきものだと思います。その意味で、この言葉は被災された方々自らが発している言葉なのだと思います。
このコピーは、CFW-Japanのメンバーの一人である(株)日本SPセンターの近藤智子氏の提案によるものです。本書で伝えたかったCFWの意義のほぼすべてがこの言葉に集約されていると思います。本書のむすびに相応しいと思い、ここに紹介した次第です。・・・
(参考)
http://www.disasterpolicy.com/index.html(研究室)
http://disasterpolicy.com/shingoblg/(減災雑感)
http://twitter.com/#!/shingon72
(追記)
あとがきに出てくる金子良事さんは、CFWの調査で、
http://twitter.com/#!/ryojikaneko/status/110748388630331392
>今日は昔、濱ちゃんのブログ上でやりあったm氏と初対面。まさか、実際にお会いすることになるとは!なんか縁が繋がっている感じのする不思議な旅の始まり。
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