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2011年9月13日 (火)

ワカモノの味方神聖同盟?

さて、下にOECDの報告書を引いて遠回しにエントリを書いたら、当の労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会の使用者側委員であられる荻野勝彦さんが、まことにストレートなエントリをお書きになっておられました。

http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20110913#p1(まあ、普通怒るよね。)

おそらく、労務屋さん史上初めてではないかと思いますが、2ちゃんねるのニュース+板から、ものすごい量のコメントを引用して、如何にこの高齢者対策がワカモノに対して非道いものであるかを、物量作戦で証明しようとしておられるようです。

>3 :名無しさん@12周年:2011/09/13 (火) 00:39:24.02 ID:C9Qxvj2I0

若者雇ってよ

6 :名無しさん@12周年:2011/09/13 (火) 00:39:43.32 ID:6eBvTB1O0

あのぉー 若者がマトモに就職できてないんですが・・・・・・

7 :名無しさん@12周年:2011/09/13 (火) 00:40:27.09 ID:EXCIf77S0

また高齢者優遇・・・

労働者人口が減ってるのに、失業者増えてるって状況をいい加減にきちんと把握しろよ

8 :名無しさん@12周年:2011/09/13 (火) 00:40:52.61 ID:ROpGIdzH0

代わりに若者は三年間の失業が義務付けられました

・・・・・・・・・・・・・

これって、今朝引用した本田由紀さんのつぶやきにもありましたね。

http://twitter.com/#!/hahaguma/status/113422679826112513

>政府、高齢者雇用の義務付け強化へ 企業の反発も ネット上では「若者の雇用ェ…(・ω・`*) 」「"代わりに若者に三年間の失業が義務付けられました"」「"そりゃ若者が車買わなくなるのも無理ないな"」などのコメントが。

なんと、日頃は対立することの少なくない荻野さんと本田さんが、ワカモノの味方という一点において神聖同盟を締結することになったようです。

これに、元祖ワカモノの味方中年の城繁幸氏を入れてワカモノの味方三国軍事同盟てなことになったら、笑えます。

http://twitter.com/#!/joshigeyuki/status/113402334742196226

>年金行政の失敗の私企業への押し付けですね。副作用は若年失業と企業の新陳代謝の疎外。

実は前にも書いたように、そして後でも書くように、高齢者がどういう会社でどういう雇用形態で働き続けるのか、若者がどういう会社でどういう雇用形態で働くのか、という側面を抜きにして雇用問題が議論できませんし、その意味では単純に定年延長するという考え方には賛成できませんが、それにしても、若者の2チャンネル発言とはいえ、

>高年齢者を10万人退職させれば若年が1万人でも2万人でも新たに雇われるのならそうしてくれという若年は多いでしょう

というのは、無批判に褒めない方がいいと思いますよ。日本から差し引き8万から9万の労働力が消えて、純粋移転所得生活者にしてしまうということは、その負担がずっしりと若者の肩にのしかかるということですから。

ほんとうは、高齢者雇用問題を根っこから議論するならば、その前の中年時代の処遇をどうするかという議論を抜きに出来ないのですが、これがまたなかなか簡単にいかないので(というか、荻野さんとしては、そう簡単にいかせるわけにも行かないのでしょうから)、どうしても定年後の処遇をがくんと落とすことで、場合によってはどこか別の会社で働いてもらうというやり方でやるしかないということになるわけですが、それにしても、社会全体で稼いで収める側に行ってもらうのか、働かずに若者に養ってもらう側に行ってもらうのか、ということが、この問題を考える上で最も重要なポイントであるということだけは、外さないで議論されることを希望しております。

少し前に書いたエントリは;

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/post-285d.html(高齢者雇用について論ずべきたった二つのこと)

>単純化してしまえば、問題の本質はこうです。

問題その一、高齢者を働かせずに現役世代の稼いだ金で養うか、それとも自分たちでできるだけ長く働いてもらうか。

問題その二、正社員のポストを高齢者に維持するか、若年者に振り向けるか。

日本経団連にせよ、ネット上で吹き上がっているやに見えるワカモノ(?)にせよ、この第一の問題構造がきちんと理解されているのかどうかが問題です。高齢者を労働市場から追い出しても、自分の懐が痛まないなどと考えてはいけません。高齢者を引退させるということは、現役世代が養うということです。そういうマクロ社会感覚があるかどうかです。

(追記)

本田由紀さんが、「一緒にするな!」(大意)と言われているようであります。

http://twitter.com/#!/hahaguma/status/113588024541069312

>予想通りの展開で苦笑。まぁ、単に高齢者を雇い続けたくないために若年雇用を持ち出す類と一緒にされるのは切ないわけだが。

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コメント

「労務屋ブログ」さんでは、「高年齢者を早期退職させても若年雇用が増加する効果は限定的」としているので、褒めているよりは政治的不満が高まる事を指摘しているように思えます。

ニュー速+の皆さんには、「働いたら負け」という方が多いでしょうから、本気で「若者の職が高齢者に奪われる!」と思って怒っているのではないのではないでしょうか。
 では彼らが何に対して怒っているかというと、たぶん、高齢者が保護されることに対して怒っているのではないかと思います。
 今の日本で、「弱者」として保護の対象になるのは高齢者・障害者・女性・外国人ぐらいなものでしょう。逆にいえば、若い健常な日本人男性は、政府による保護の対象にならない。仮に、若い健常な日本人男性が「生活保護を受けたい」と申し出たとしても、「選り好みしてないで職を探せ」と追い返されるだけでしょう。実際には、「働いたら負け」な方々がまともな職に就ける可能性などほとんど無いにもかかわらず。
 だから、彼らが「俺たちには何もしてくれないのに、なんで高齢者・障害者・女性・外国人ばかり優遇するんだ!」と怒るのは、ある意味では当然の反応だろうと思います。

そういう見方もありますか。

しかし、それって大変皮肉な話で、実は私のいっていることは、高齢者から年金という保護をはぎ取り、それまでの正社員としての高処遇もはぎ取り、低賃金の非正規労働者として働かせようという、考えようによれば究極の高齢者いじめみたいな話なわけですよ。

実際、ヨーロッパでも特にラテン系、フランスなんぞの高齢者は、若者のために仕事を譲ります、なんて美しそうなこと言って、実は早く引退して仕事なんかせずに年金生活したいだけっだたりします。だから、定年引き上げに高齢者が猛反対してデモしたりするわけ。

そういうのは若者の役にも立たないよ。というOECDの議論は、実は若者向けというよりは、働きたがらない高齢者向けのメッセージだったりします。

それが日本に話を移すと、今度は「働いたら負け」と思っている若者から、働きたいと思っている高齢者が、ここまで悪口を言われるってのも、悲惨な話ではありますね。

(以上は、あくまでもCramClamさんのコメントを受けての、その限りでのリコメントで、いかなる意味でもそれ以上の一般化を意図したものではありません。日本の若者の大部分は「働いたら負け」と思っているわけではありませんので、いうまでもなく)

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さて一昨日のエントリに関連してhamachan先生が先生のブログで「ワカモノの味方神聖同盟?」というエントリhttp://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/post-0912.htmlを書いておられますので、私から若干のコメントを。  さて、下にOECDの報告書を引いて遠回しに... [続きを読む]

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