東電福島第一原発作業員の長期健康管理に関する検討会報告書案
昨日、台風の近づく中厚労省で標記検討会が開かれ、報告書案について議論したようです。
その報告書案は、
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001pdum-att/2r9852000001pdw3.pdf
ですが、いくつか重要な部分を引用しておきます。
まず基本的な方針として、
>緊急作業に従事した労働者が、離職後も含め、自らの健康状態を経年的に把握し、必要な健康相談や保健指導等を受け、適切な健康管理を行うことができるよう、データベースは、被ばく線量以外にも健康状態に関する情報等を登録できるとともに、労働者本人が自らの情報を参照できる仕組みとする。
また、緊急作業に従事した労働者の長期的な健康管理を行うためには、緊急作業に従事したことによる健康への不安を抱えていること、累積被ばく線量の増加に応じて健康障害の発生リスクが高まることから、事業場において、一定の被ばく線量を超えた労働者に対しては被ばく線量に応じた検査等を実施することが適当である。
さらに、離職後についても、適切に健康管理が行われるよう、国が離職者を対象とした健康相談窓口を設置するとともに医師又は保健師による保健指導の機会を提供し、一定の被ばく線量を超えた労働者に対しては、被ばく線量に応じた検査等を実施することが適当である。
データベースの項目は、
>ア 個人識別情報(ID 番号、氏名、所属事業場、住所等)
イ 緊急作業従事前、従事中及び従事後の被ばく線量及び
従事中の作業内容
ウ 健康診断結果等の情報
エ 健康相談、保健指導等の情報
オ その他健康管理に必要な項目(生活習慣等)
労働者が自分でデータを参照することができるように、
>緊急作業に従事した労働者本人が被ばく線量を含めた自らの健康情報を参照することが出来ることとする。また、個人情報の保護の観点から労働者本人が窓口で参照することとし、全国各地から緊急作業に従事している労働者がいること等を踏まえ、労働者の利便性を考慮し、一定数の窓口を全国に設置することとする。
その際、全ての緊急作業に従事した労働者に対しては、健康管理の実施やデータベースの参照にあたっての本人確認が円滑かつ適切に行われるよう、登録証を交付する。
さらに、被ばく線量に応じた検査等を実施する労働者に対し、検査結果や過去の被ばく線量等を容易に確認できる手帳の交付を行う。
なお、主治医や事業者等がデータベースで管理される情報を活用する場合には、労働者を通じて提供する。
とされています。
なお、離職後も含めた長期的な健康管理の在り方として、
>緊急作業従事者においては、電離放射線障害防止規則(以下「電離則」という。)に基づく放射線業務従事者の一年間の被ばく限度である50mSv を超えて被ばくした労働者、さらには、電離則に基づく緊急作業時における従来の被ばく限度である100mSv を超えて被ばくした労働者がいることから、被ばく線量の増加に伴う健康障害の発生が懸念される。このため、現時点での医学的な見解を踏まえ、被ばく線量に応じた検査等の実施が必要である。なお、事故発生後早期から緊急作業に従事していたことに伴う安定ヨウ素剤の使用等についても留意すべきである。
また、通常の放射線業務とは異なる環境下で、緊急性の高い作業に従事したこと自体により、労働者が心身の長期的な健康に不安を感じることが想定されるため、現に事業者に雇用されていない者等、事業者による通常の健康管理が行われない者全てに対して、被ばくした線量にかかわらず、国が健康相談窓口を設けるとともに医師又は保健師による保健指導の機会を提供する。
なお、緊急作業時の企業に継続して雇用されている労働者及び緊急作業又は放射線業務に従事している労働者に対する被ばく線量に応じた検査等は原則事業者が実施すべきであるが、中小企業において放射線業務に従事しなくなった者、放射線業務を行わない企業に転職した者等については、事業者が通常の健康管理を行い、国が被ばく線量に応じた検査等の機会を提供することが適当である。
とされ、具体的な健康管理の項目が並んでいます。
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