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2011年9月19日 (月)

経団連成長戦略2011

経団連が去る16日に「経団連成長戦略2011」を公表していました。

http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2011/089/honbun.html

I.はじめに
1.日本経済の現状
2.空洞化の阻止と経済成長の重要性
II.日本企業の活力の発揮と世界との連携を軸とした成長戦略
1.成長への道筋
(1)成長阻害要因の解消
(2)震災復興と成長戦略の一体的な推進
(3)民主導の経済成長の実現
2.国際的な立地競争力の強化に向けて
(1)エネルギー・環境政策のあり方の抜本的見直し
(2)デフレ脱却と為替の安定化
(3)法人税を含む企業の公的負担の軽減
(4)TPPをはじめとする高いレベルの経済連携促進
(5)労働市場の多様性を踏まえた雇用政策の展開
3.成長加速に向けた企業のアクション
(1)未来都市モデルプロジェクトをはじめとしたイノベーションの加速
(2)産業クラスターの形成による競争力強化
(3)観光・農業の振興を通じた地域活性化
(4)成長するアジアとの一体化
III.持続的な成長に不可欠な基盤整備
1.社会保障と税・財政の一体改革
2.道州制と「地域主権」改革の実現
3.都市の競争力強化
4.金融・資本市場の機能強化
5.グローバル人材の育成・海外からの受入れ
IV.おわりに

いろいろ論ずべきことはありそうですが、ここでは本ブログの本拠たる「労働市場の多様性を踏まえた雇用政策の展開」についてみておきます。

まず、現状・問題意識として、

>近年、労働者派遣法の改正法案の国会への上程に加え、有期労働契約および高齢者雇用の規制強化に向けた議論や、最低賃金の大幅な引き上げなどがなされている。このような過度の労働規制強化は、国内事業環境をさらに悪化させ、雇用の減少につながるおそれが強い。

わが国では、全般的に厳しい雇用情勢が続くなか、東日本大震災により、被災地における雇用の維持・確保が喫緊の課題となっている。また、職種や企業規模間のミスマッチや、若年者・高齢者の雇用問題、長期失業者比率の高止まり、働き方に対するニーズの多様化といった構造的な課題のほか、グローバル化への対応も急がれている。

就労機会が十分得られない状況が続くことになれば、人的資本の形成が阻害され、将来の成長力の低下につながる。求められるのは、経済成長の実現を通じて雇用が生み出される環境を早急に作ることである

労働規制は雇用喪失につながるから止めよ、というのが基調低音ではあるのですが、次の具体策のところでは

>当面は、被災地を中心とする雇用の維持・確保に向けた、企業に対する支援をはじめ、失業中の生活安定の確保と早期の再就職支援の継続、雇用機会の提供等に努めていくとともに、人事労務管理上の柔軟性を確保するため、労働時間制度の弾力的な運用が可能となる規制の見直しが必要である。

また、新たな雇用の創出と人材の能力向上を継続的に図るためには、先に述べたように経済成長の実現が前提となるが、企業活動の変化に対応しうる多様な雇用・就業形態を活用できる環境整備に向けて、現在検討されているような労働規制強化の動きを改めていくべきである。

中期的には、生産年齢人口が減少するなかで国の活力を維持していくため、労働生産性の向上はもとより、女性、若年者、高齢者等を含めた「全員参加型社会」の実現、さらには、エネルギー・環境、観光、農業、医療・介護など、今後成長が期待できる分野へ十分な労働力を供給していくことが必要である。

そのためには、公的職業訓練施策の充実といった職業能力の向上や、優良な民間事業者の育成などを通じた需給調整機能の強化による雇用の流動化の促進、セーフティネットの整備など、労働市場の基盤強化を図るとともに、働き方に中立的で就労を阻害しない税制を整備していくことが重要となる。

こうした雇用政策を推進していく上では、現場の実態を十分踏まえたものでなければならず、労使の意見を踏まえた上で政策を立案し、政労使一体となって取り組みを進める必要がある

と、かなりまっとうな認識が示されています。ここのたとえば「女性、若年者、高齢者等を含めた「全員参加型社会」の実現」といったことが、労働規制を緩和すれば緩和するほど実現するのか、必ずしもそうではないのか、といったことは、もちろんどういう規制の中身かといったこととも絡みますが、そう単純なものではないことは、実は経団連側も分かっていることではあろうと思います。

とりわけ、「労働時間制度の弾力的な運用が可能となる規制の見直し」というのが、残業代規制だけの話ではないとすると、24時間働ける人間だけが働くわけではない全員参加型社会にふさわしいものかどうかはいろいろと疑問もあるところですが、そこらあたりも当然分かっていることとも思われます。

もちろん、「公的職業訓練施策の充実」や「需給調整機能の強化」、「セーフティネットの整備」などは、いかなる立場からも重要な課題ですし、とりわけ最後の「雇用政策を推進していく上では、現場の実態を十分踏まえたものでなければならず、労使の意見を踏まえた上で政策を立案し、政労使一体となって取り組みを進める必要がある」というのは、本ブログ上でも繰り返し述べているように、うかつな政治主導に引きずられることなく、きちんと確立されるべきことであることはいうまでもありません。

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