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2011年8月22日 (月)

血液ガッタガタ@メンバーシップ雇用

朝日の夕刊の記事ですが、

http://www.asahi.com/job/news/TKY201108220073.html(科学的根拠ないのに…シューカツで企業が血液型質問)

>シューカツで血液型を聞かれたらどうする? 就職活動で不況と東日本大震災のダブルパンチにあえぐ学生が悩んでいる。専門家は血液型による性格判断に科学的根拠はなく、面接で聞くことは差別につながりかねないと警告している。

 中部地方の女子学生(21)は面接で血液型を聞かれて戸惑った。B型だが、かつて「マイペースで就活に不利な血液型だ」と言われ、気にかかっていたからだ。正直に答えたが、その会社は落ちた。

 筆記も不調だったので、血液型が原因でないとは思う。しかし、被災地での態度が問題となり、7月に辞任した松本龍・前復興担当大臣が「B型だから」と言い訳していたのを見て、「B型の印象が悪くなる」とため息が出た。・・・

血液型自体の議論にはここでは立ち入りませんが、問題は

>一方、ニセ科学に詳しい菊池誠・大阪大サイバーメディアセンター教授(物理学)は「いまだにそんな会社があるんですねえ」とあきれる。菊池教授によると、性格と血液型の関連性は見つかっておらず、「現代の迷信」という。「そもそも、自分の努力で変えられないことを就職の面接で聞くのはおかしい。企業側に自覚がなさすぎる」

血液型人間学なるものがニセ科学であるかどうかというようなことではなく、たとえ血液型と性格との間になにがしかの関連性があるとしても、

>日本労働弁護団の常任幹事を務める中野麻美弁護士は「仕事への適応能力をみる採用の場で、職務との関連性がない血液型の情報を求めるのは不合理だ。プライバシーを侵害し、いわれのない差別にあたるおそれがある」と話している

それが職務遂行能力と本質的関連性を持たない属性による差別であるという点にあるわけです。

むしろ、他の諸国ではさまざまな属性による差別は存在するのに、血液型による差別などという現象は見当たらないのは、それが日本型メンバーシップ雇用を前提とした「仲間として上手くやっていけるかどうか」という点に着目した(と、少なくとも当事者は信じている)性格に基づく差別(と思いこまれたもの)であるという点にあるように思われます。

わたくし自身は、いわゆる血液型人間学なるものに少なくとも社会生活上で有益な知見は存在しないと考えていますが、ニセ科学であるからダメなんだという言い方では、

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110808/trl11080822490008-n1.htm(「血液型番組は差別」に反発、血液型人間学研究家がBPOを提訴)

というような無駄な泥仕合になるだけのようにも思われます。

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コメント

>むしろ、他の諸国ではさまざまな属性による差別は存在するのに、血液型による差別などという現象は見当たらないのは、
>それが日本型メンバーシップ雇用を前提とした「仲間として上手くやっていけるかどうか」という点に着目した(と、少なくとも当事者は信じている)性格に基づく差別(と思いこまれたもの)であるという点にあるように思われます。

それ以前の問題です。
そもそも、血液型性格診断自体が日本発の独自トンデモであって、海外で全く普及していないという事実を踏まえてない分析に、余り意味があるとも思えません。

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