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2011年8月 6日 (土)

丸山の議論がほとんど過不足なく当てはまる典型的日本人だなあ

先日の本ブログにおけるこのエントリに対する暴言日記さんのコメントですが、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/post-8591.html(それぞれに利害のある人々を「御用一般人」と言える心性の劣悪さ)

http://blogs.yahoo.co.jp/zhang_r/29192497.html(御用一般人)

まことに、真実をえぐる的確なる表現をしているので、ここに引用します。

>(拙ブログの引用)

>いわゆる 「リフレ派」と自分のような単なるリフレ政策支持者を分ける基準はっきりしてて、それはリフレ政策が行われてこなかった原因を、「リフレ派」の場合は日銀総裁や日銀官僚の非経済学的な動機に求めることにある。つまり、政治的利権、保身、既得権の維持などなどである。いろいろ議論を眺めていると、「リフレ派」を名乗る人とそうではない人とでは、明らかにここで分断線がある。最近は官僚や政治家にとどまらず、ネット上などで「リフレ派」に懐疑的な意見を表明する人全般を「御用一般人」などと呼んでいるが、普通のリフレ政策支持者にとってはついていけない批判である。

 私の理解する大人の良識から言って、何らかの地位にある人で、利権、保身、既得権の維持に走っていない人など皆無であること考えれば、こんな批判は週刊誌ネタや政治ジャーナリズムの世界でしかなく、政策論的には基本的に無意味である。田中先生を見ていると、丸山やアレントやセンを読んでも実際には中学生レベルの人間観や社会観しか披瀝できなことに、「教養主義」の限界というものを感じる。

 そもそも、田中先生や稲葉先生の振る舞いを見ていると、丸山の議論がほとんど過不足なく当てはまる典型的日本人だなあ、としか思えない(だから嫌いにはなりきれないところがある)。地道に実証と論理で説得する努力よりも、特定の勢力を悪者に仕立てて、同調圧力でねじ伏せることの威力の誘惑に負けてしまう。いろんな難しい本をたくさん読んで、それなりに難しい本も書けるが、自分の身体に突き刺さってない。

 「御用一般人」という言葉は、そうではない人=「国民全体の厚生のために自らの既得権や利害を顧みない」人の存在を前提にしてはじめて意味を持つ言葉だが、アレントを少しでも理解するつもりがある人なら、そういう人に対する願望こそがファシズムの心性でしかない、という感性がなければだめだろう。「アレント読みのアレント知らず」という人は本当に多いというか、自分もそういわれないように緊張感を持ち続ける必要がある

まあ、こういう言葉の本当の意味での知識人的な批判を読んで、我が身を省みるような人物であれば、今のような惨状を呈することはなかったはず、というのがわたくしの感想ではありますけれど。

>日本社会では出る杭は打たれるとか、足を引っ張るとかなんとか日本社会を批判し、その批判にたいする共感で味方を結集し、その同調圧力で敵対者を攻撃しようというやり口自体が、うんざりするほど「日本的」である。日本人論的な批判それ自体が、最も性質の悪い形で日本人論的なものを象徴しているという無限ループ

 多くの左翼系の知識人は、これを反省することができず、単に自分に敵対する議論を、丸山の口を借りて日本特殊性論で批判する。田中先生は、こういう俗流丸山論者の典型的な存在。

 田中先生の論法は、要は「あいつら馬鹿で、いやな奴らだって、みんなもそう思っているから、お前もみんなに嫌われたくなければこっちこい・・・」に集約される。もちろん、丸山が生涯をかけて批判した人間類型である。日本人である自分もこういうところが確かにあるので、田中先生を嫌いになりきれない

「りふれは」が戦後日本のサヨクの駄目さ加減の象徴であるというのは、まったく同意します。「りふれは」だけならば、あまりの卑劣さに「刀汚し」というところですが、それが日本型サヨク(最近はむしろウヨク系も)知識人の典型的思考行動様式であるがゆえに、徹底的に分析追及する必要があるのでしょう。

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