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2011年8月18日 (木)

松尾匡センセーの引っかけ問題に引っかかる人々

松尾匡センセーが、立命館大学の可哀想な学生たちを引っかけて遊んでいる試験問題がこれですけど、

http://matsuo-tadasu.ptu.jp/GakusiXam11.pdf

>II 以下の(19)~(25)の人物の主張としてあてはまるものを、それに続く選択肢(1)~(4)の中から一つずつ選び、その記号をマークせよ

「あてはまるもの」ですよ。

まずアダム・スミスです。

>⑲ スミス

(1) 個々人の利己心を追う競争によって、努力をした者が豊かになり、怠けた者が貧しくなるようにすれば、みなが勤勉になって国が豊かになる。

(2) 政府の介入をなくして、競争で生産性が上がるようにすれば、貿易黒字が増えるので国が豊かになる。

(3) 自由貿易にして、産業を国際競争にさらせば、生産性の高い業者が生き残って国際競争力がつき、貿易黒字が増えるので国が豊かになる。

(4) 世の中の圧倒的多数である労働者が貧しい社会がいい社会のはずはない。賃上げのための労働運動を政府が禁圧するのは間違っている。

もちろん、(4)ですよ、正解は。

でも、世の中の、自分は経済学の権威だみたいな顔をしている人々のいかに多くが、スミスを楯にとって組合潰しを称賛し、利己的な競争を礼賛していることか・・・。「りふれは」な人々も含めてね。

引っかかった学生さんは、松尾センセーを怨んではいけません。

次、マルクス。

>マルクス

(1) 資本主義経済の発展は、世界を普遍化し、長い目で見た平均としては均衡的な生産配分をもたらしてきた。

(2) 資本主義経済での商品の価格は、長期均衡的には、その商品を生産するために投入される労働時間に比例する。

(3) 資本主義社会の不正な構造の基本は、強者が弱者を食い物にするモデルで説明でき、利潤とは、売り手が買い手の足下を見て価格をつり上げることから生じる。

(4) 資本家の利潤に課税して労働者に再分配して、所得格差をなくすことが、目指すべき社会変革である。

もちろん、正解は(1)です。資本主義を口汚く罵るのがマルクス主義の神髄であると思いこんでいる左翼な人々への引っかけですが、近頃の学生さんにはあまり効かなかったようですね。

そして、ワルラス。

>ワルラス

(1) 資本主義経済では、自由放任に任せておけば、市場メカニズムが働いて自動的に一般均衡が実現する。

(2) 商品の交換割合は、その商品の消費から1単位あたり平均に得られる効用に比例する。

(3) 後年「ワルラス法則」と呼ばれる法則は、「諸財の超過需要の和はゼロ」ということである。

(4) 社会主義をめざすべきである。

もちろん、(4)が正解ですが、なまじ「りふれは」な経済評論を読んでいると、かえって間違えてしまうというところが憎らしい引っかけです。

いうまでもなく、授業を聴いていたはずの学生さんはこんな引っかけに引っかかってはいけませんが、世の「りふれは」を含めたケーザイ学者やヒョーロン家のいかに多くが、このマルチョイで引っかかるように引っかかるように国民を啓蒙し続けているかは、思い半ばに過ぐるものがありますな。

(参考)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/post-2bdd.html(「りふれは」の労使関係観)

>上念司氏が『正論』9月号に書いた「経団連よ、この国難に道を踏み外すな」という文章の中から、同じ「りふれは」の田中秀臣氏が嬉々として引用している文言:

>「自由主義経済の守護者であり、かって争議潰しで名を馳せた日経連を吸収した現代の経団連が、日本経済の社会主義化を望んでいるとしたらそれは冗談としか思えない

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コメント

山口薫著「公共貨幣」をご存知でしょうか?この著書は、山口薫氏が同志社大大学院教授時代、独自で開発したシュミレーションを元に書かれた本でもあり、1929年の大恐慌の反省の為にシカゴ大学で6人の学者によって著された(シカゴプラン)と偶然合致したシュミレーションです。まずはYou Tubeでご覧いただければ幸いです。これ以上の概念は世界にはないと思っております。今現在はトルコ在住ですが、この概念を熟知している人物の一人に、安部芳裕氏がおられます。新刊にも、公共貨幣に触れられてます。

高津公男様

門外漢な私もご紹介の本を興味深く読んだ記憶があります。
素人ながら、目からうろこって感じでした。

トルコにおられるのですね。
なにやら学内にて不可思議な人事の憂き目に合われた箇所を覚えております。
その人事にまつわるカウンタパートは、今も著作連発の同大の御仁だったような…。

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