萱野稔人編『最新日本言論知図』(東京書籍)
東京書籍より、萱野稔人編『最新日本言論知図』をお送りいただきました。ありがとうございます。
http://www.tokyo-shoseki.co.jp/books/4487804809/
>現代日本の重要な論点やトピックを取り上げ,文章とビジュアルを駆使し,見開き完結で解説。日本の一番新しくホットな論点が,いまだかつてないほどに一目瞭然!
萱野さんとは、昨年10月にPOSSEのシンポジウムでご一緒したことがあり、
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/posse-eb06.html(POSSEシンポジウム終了)
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/posse-b1f7.html(『POSSE』第9号から)
そちらも是非お読みいただければ、と思うところですが、
この本では、23番目のテーマの「ベーシックインカム」というところにわたくしがちらりと顔を出しているようであります。
それはともかく、29番目の「雇用問題」という大テーマを「派遣法規制は強化すべきか」というような、はっきり言えばみみっちい議論に矮小化し、あまつさえ、その中で反対派として池田信夫氏をわざわざ持ち出しているのは、ものごとの認識枠組みとしていかがなものかと思わざるを得ませんね。雇用労働をめぐる大事な問題がすっぽり抜け落ちているでしょうが。
まあ、実は、後ろの方の上野千鶴子氏と萱野さんとの対談が、かなりの程度労働論にもなっているので、そちらで補ってね、という趣旨なのかも知れませんが。
このように、広く浅くという方針のためか、全体として記述は浅い、という印象が否めませんが、まあ、メディア業界の隅から隅までざっと見渡すのにはいい本なのでしょう。
ちなみに、上で『POSSE』をひいたからというわけでもありませんが、134番目の「インディーズ系論壇誌」に、『POSSE』が、社会系でかつマイナー系として位置づけられていますな。
もひとつ、136番目の「ウェブ論壇」の図の中で、勝間和代さんが「経済評論家」なのに池田信夫氏が「経済学者」なのはどういう根拠なのか、よく理解できないままでした。
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http://shinsho.shueisha.co.jp/kotoba/1109tachimi/03.html
kotobaで萱野氏が対談されているようですね。
反成長主義にシンパシーを感じているような風にぱっとみ(立ち)読めなくもなかったですが
投稿: TOKUMEI | 2011年9月11日 (日) 21時47分