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2011年8月 4日 (木)

イタリア映画『人生ここにあり』

T0010387hamachanがイタリア映画かよ、と呆れたようなまなざしを感じますが、いやいや、これこそ「EU労働法政策雑記帳」というブログ(サブ)タイトルにふさわしい映画なのです。

http://jinsei-koko.com/

>1983年のイタリア、ミラノ。新しく制定されたパザリア法により精神病院が閉鎖され、行き場を失った元患者たちは、病院付属の「協同組合180」に集められ、慈善事業という名目の単純作業をしながら無気力な日々を送っていた。一方、労働組合員のネッロは熱心すぎる活動がたたり、「協同組合180」への異動を命じられる。ネッロはさっそく元患者たちに仕事をする事の素晴らしさを伝えるべく、「床貼り」の作業を提案するのだが…。

正確には労働者協同組合。字幕ではふつうに「労協」と訳していましたね。

いろんな見方が出来る映画ですが、精神病院でinactiveにされていた精神病患者たちを、自分たちが労働者として主体である労働者協同組合という枠組みの中で、市場で活動できる存在へとactivateしていくストーリーとしても見ることが出来ます。精神病患者という一番難しい人々の真っ向勝負のアクティベーションを描いた映画です。

とはいえ、精神病院を出て行ったネッロと精神病患者たちが事業を立ち上げるには元手が必要なはず。そこで、(当時)ECの助成金が出てくるところが、リアルであり、こういうストーリーの背後にEUの社会基金が存在していることがさりげに描かれています。

もっとも、その後患者たちが「女とやりたいよう」と言いだし、ネッロが彼らを売春宿に連れていく原資までECの情操教育とやらの助成金というあたりは、もちろんフィクションなのでしょうね。さもないと、EUの担当者が叱られるはず・・・と思うのですが、「いやまあ、どうせイタリアですから」で済んだりして。

東京では銀座のシネスイッチで上映中です。結構たくさんのお客さんが見に来ていました。

>本国イタリアでは動員数40万人超、54週ロングランの大ヒットを記録し、イタリア・ゴールデングローブ賞を受賞した話題作。精神病院廃絶法であるパザリア法(1978年制定)により、精神病患者たちが一般社会で暮らせるような地域づくりに、世界で初めて挑戦したイタリア…そんな時代を背景に、ある施設の取り組みと、そこで生まれた知られざる実話を感動的に描いた人間讃歌だ。ともすれば重い話になりがちなデリケートなテーマでありながら、ユーモアあふれる語り口で描いたところが面白い。すぐ手が出るキレやすい男、彼氏が100人いるという妄想を持つ女など、一筋縄ではいかない元患者の面々が繰り広げるドタバタぶりが笑いを誘う。

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コメント


イタリアの労協が(その気になれば)パリで仕事をとれる、というのが興味深かったですね

http://togetter.com/li/234378


約6人?ほど2011年映画のベスト10以内に挙げられておられます

http://d.hatena.ne.jp/rino5150/20111231/1325302386

こちらではなんとベスト・1位です

> ネッロが彼らを売春宿に連れていく原資までECの情操教育とやらの助成金

パンフレットによると、フィクションではないようです・・・。しかも監督が堂々と語っちゃってます。いいのか?

これは事実関係はどうなんでしょうか

伊で労働市場改革法成立 業績悪化での解雇可能に
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2801G_Y2A620C1EB1000/

イタリア議会で27日、モンティ政権が提出していた労働市場改革法が可決・成立した。現行法では事実上、不可能だった業績悪化を理由とした解雇に道を開いた。若年層の就労支援策や女性差別的な労働慣行の是正も盛り込んだ。ただ、裁判所の判断次第で復職を認める規定を入れたため、どこまで解雇のハードルが下がったかは不透明だ。

 硬直的なイタリアの労働法は企業の雇用調整を困難にし、外国企業が進出をためらう一因になっていた。モンティ政権は法改正で産業を活性化し、財政再建に欠かせない税収増につなげる狙いだ。

 一方、若年層の雇用の不安定さにつながっているとされる「見習い」を名目とした短期就労は制限。事実上の雇用関係にあるにもかかわらず、業務請負の形で契約して法規制を免れることも禁じた。女性を採用するに当たってあらかじめ辞表を提出させ、産休が長期化した際などに辞表を根拠に事実上、解雇する慣行にも規制をかけた。

 欧州の労働法は一般に、債務危機に直面するイタリア、スペインなど南欧諸国で労組の権限が強く、硬直的とされてきた。イタリアは今回、解雇の条件を緩和したが、モンティ政権が目指した「ドイツ並み」の柔軟さまでは実現しなかった

”発達障害者ONLYの職場で能力全開で働く人たちのこと”

http://togetter.com/li/337635


ちょっと違いますが

http://www.47news.jp/news/2013/02/post_20130213121500.html

” 厚生労働省は13日、企業に精神障害者の雇用を義務付けることを柱とした障害者雇用促進法改正案の概要を自民党厚生労働部会に示した。4月上旬にも今国会に改正案を提出、成立させ、2018年4月からの実施を目指す。  現在、企業に対する雇用義務の対象は身体障害者と知的障害者に限られている。しかし精神障害者の新規求職者数”

日本ではどうなりそうでしょうか?

何故ハマちゃんがイタリア映画を観ると呆れる人がいるんでしょうか?それはともかく今年のアムネスティフィルムフェスティバルのオオトリを飾ったこの作品は実際素晴らしいものでした。精神病患者のsocial inclusionという深刻かつ重要なテーマが突き抜けた明るさで描かれており、観た後で言い知れない爽快感を覚えました。
精神病院を解体するバザリア法は60年代の学生運動の流れを受けて成立したものという上映前の説明がありましたが、日本では逆行しているように思える統計があります。日本もイタリアも多数の零細企業が社会の基盤という共通点があり、イタリアのコーペティーバにあたる生協を活用すれば日本でも実現出来るのではないかと思うのですが、障害者雇用促進法も何か逆のことをしているような気がしてしまいます。

補足です。障害者雇用促進法では大企業の方が雇用義務率が高いという点が腑に落ちないのです。むしろ中小零細企業・団体や自治体の方にニーズがあるのではないでしょうか。調整金・納付金についても同様。中小以下の規模の企業や商店などの地域に密着した仕事の方が障害者の社会参加には相応しいと思うのです。「企業の社会的責任」とやらを国が押し付けて雇用させれば良いというものではない。

働く女子の運命関連というか…
「これが私の人生設計」
高学歴高スキルの30代女性アーキテクト。ロンドンでの仕事に行き詰まりを感じて故国イタリアへ。
しかし女性差別がひどく、最初のコンペでは雇用契約の免責事項に「地震隕石など」に続いて「妊娠」
妊娠したらクビ?「当然でしょう」
次はどうしても勝ち取りたい仕事。セレーナブルーノ(女名前)をブルーノセレーナ(男名前)と勘違いした相手に、つい自分は男性建築家のアシスタントだと偽ってしまう。
なんとかもぐりこんだ設計事務所。そこはボンクラ2代目社長の会社の私物化が罷り通る職場だった…
職場の人はみな自分を偽っていて
・ゲイだと言い出せない
・妊娠していると出だせない
・社長のひいきサッカーチームのファンじゃないと言い出せない・・・などなど

中小企業あるあるでベタですが、洋の東西を問わないな、と

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