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2011年8月 7日 (日)

弱い国、助け合わない国 日本

Zrs全労済協会より、『緊急提言集 東日本大震災 今後の日本社会の向かうべき道』をお送りいただきました。

これは全文が全労済協会のHPにもアップされていますので、忙しくお仕事中でない皆さんは、是非リンク先に行って、パラパラと読んでみてください。

http://www.zenrosaikyoukai.or.jp/thinktank/library/lib-subject/post-1.html

内容は次の通りですが、

●「共に生きる」社会への復興を求めて 神野直彦東京大学名誉教授
●震災復興と地方自治のあり方 西尾勝東京市政調査会理事長
●震災復興と雇用の再構築 宮本太郎北海道大学大学院教授
●住宅復興とまちづくりの方向 塩崎賢明神戸大学大学院教授
●地域コミュニティの再生に向けて 広井良典千葉大学教授
●東日本大震災と新しい社会経済システム、社会保障制度 駒村康平慶應義塾大学教授
●大規模災害時の地域医療・介護 小松秀樹亀田総合病院副院長
●震災復興とエネルギー政策の転換 植田和弘京都大学大学院教授
●復興を支える財政政策 高端正幸新潟県立大学准教授
●今後の防災・減災に向けて 河田惠昭関西大学教授

「雇用の再構築」という言葉がタイトルに入っている宮本太郎さんの文章から、いろいろと考えさせる部分を:

>震災復興を雇用を軸に考える際に肝に銘じるべきことは、仕事は人々にとって収入の源以上の何かであったこと、その事実を震災が改めて示したということである津波で船も港も失った漁師たちが、なぜなお再び漁に出る日を待ち望むのか。その理由は仕事が単に生活の糧に過ぎないとしたら説明できない。・・・

>この15年の間、日本社会において揺らぎはじめ、そして震災が破壊してしまったこと、そして被災地を軸に全国で再構築されるべきことは、コミュニティの中で参加の場を持ち、他の人々と認め認められる関係にあるという日常の形である。人々の幸福感情をめぐる近年の研究が示すのは、失業が幸福感への深刻な脅威となるのも、それが社会との繋がりの喪失を意味するからである。特に成長期を終えた成熟経済にあっては、繋がりの維持が所得以上に幸福感の規定要因になっていることが明らかになっている。

>・・・被災地における雇用再構築において最も重要な事柄は、地域の長期的な発展に求められる安定的な仕事に就くことを通して、職場であるいは地域で、繋がりが広がっていくという見通しなのである。そのような見通しこそが希望の支えとなるのである。

あと、高端正幸さんの財政政策論は、復興財源の調達について「常道を採るべし」と断言しています。

>そもそも増税を回避すべきとする議論は、日本の財政政策が抱える根本的な弱さを反映している。日本の財政は、高度成長期に定着した「自然増収=増税なき増収」への依存体質を引きずることによって、1990年代以降の低成長条件に直面したとき、大量国債発行による国際的に類例なき債務累積へと迷い込んだ。結果として、国民全体として負担を分かち合い、支え合うという総体的な意味での「受益と負担」の相互関係が築かれることはなかった。

>しかも、欧州各国が福祉国家財政の積極的再編を進めていく傍らで、日本では財政運営の持続可能性への懸念が強調され、歳出(とりわけ社会保障支出)の抑制が進められた結果、国民の受益実感の低下が租税負担感のみ高めてしまうという悪循環が定着した。先進国中で最高水準の貧困率、雇用格差、地域間格差など、機会の不平等と社会的な分断がこれほど露わになっても、国民は負担に同意しがたく感じ、そうした空気が、増税不要論を唱える一部の経済学者を勢いづけている。

震災後には、テレビなどで「日本は強い国」「日本人は助け合いの心を持っている」といった言葉が頻繁に流された。ところが、財政という鏡に映った日本は、間違いなく「弱い国」であり、「助け合わない人々」の国である。こうした状況において、明瞭かつ深刻な危機として眼前に突きつけられた大震災からの復興に要する財源さえも、負担の分かち合いなしに調達可能であるとする議論は、日本の財政政策をさらなる劣化に導く言説であると言わざるを得ない

まことに、びた一文お金を出したくないという言説ばかりがはびこる国は、「弱い国」「助け合わない国」でありましょう。

ただ、高端さんも指摘するように、そのようにしてしまった原因の一つは、社会保障を削ることで財政再建をするという財務省的財政再建論ばかりが前面に出たために、生活再建のための増税にすら国民の意識が冷え切ってしまっていることにあるのでしょう。何とも皮肉で、悲しい現実ではあります。

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コメント

増収させないのはまずいというのが前提です。

しかしながら歳入で所得再分配なきありようでは
歳出でそれを行っても財政乗数効果も低く極めて
効果も薄いでしょう。つまり消費税増税だけでは・・
ということです。

しばしば、hamachanは池田勇人時代の近代化政策を
出しますが、それにおいて最適な税制は直接税で
しかも高率な累進課税制度です
それもさっさと国民総背番号制にしてクロヨンも
是正しないとまずいです。総合課税も必須です。

また法人においても社会保障負担を累進にして
中小零細企業における福利厚生をバックアップ
するべきです。

hamacanさんは直接税や累進課税制度は嫌いですか?

ちなみに私はこうした税制度前提で韓国のように
インフレターゲットを行いリフレに持って行けば
内需が拡大します。
また・・・
国際的な視野でみると内需で十分に高い利益を
上げてない企業の国家ではその国家の企業に
おけるグローバル競争力が低いように推測します。

いいえ、むしろそちらが本筋だと思っています。
とりわけ復興財源に関しては。

こういうご批判(?)をいただくということは、直接税を否定して消費税のみでやれと主張しているようにでも読めてしまったのでしょうか。そのような記述はかけらもないはずですが。

それとも、リフレ政策には共感するが「りふれは」は嫌いというわたくしのスタンスから、そうおもいこまれてしまったということでしょうか。だとすれば、まことに不徳の致すところです。

大体それ以前に、何故に復興債の償還を短期に増税して賄う必要があるのか不明ですがね。
千年に一度の災害ならそれこそ千年かけて返済したって良い筈。

なるほど、まことにもっともです。
貞観11年(869年)、清和天皇の御代に起こった1000年に一度の地震と大津波についても、その1000年後の、明治2年(1869年)までかけて返済すればよかったのですよね。
幸い、万世一系のわが国は、1000年経っても天皇家が統治されていますから、債務不履行になることはないはずですし。

信用貨幣制度も無い時代の古代人と同じ事をしている様では、千年後の未来人に笑われるでしょうね。
実際にマトモに経済成長していれば百年も掛からないでしょうけど。

だったら、千年後とか言わないことですね。

というか、千年先も同じレジームが続いていると何の疑いもなしに信じられる神経自体が、たぶん平和ぼけというヤツなんでしょう。

まあ、「りふれは」方面では、たかだかみみっちいマクロ経済政策を2センチか3センチ動かす程度のことを、ご大層にも「レジーム転換」なぞと称するらしいので、国法学的に正確な意味での「レジーム転換」というものが分からなくなっているのかも知れません。

これもまた、現代日本の一つの風景なのでしょう。

そういうセンスのない人間が、

>千年に一度の災害ならそれこそ千年かけて返済したって良い筈。

などと言えるということです。

歴史感覚の欠如というものの深刻さは、こういうところに現れるわけですが。

 福島原発の廃炉に7兆円かかるとも言われています(もっとかかるという説もあり)。放射性廃棄物の問題その他を含めて、将来世代に多大なる負担を発生させてしまったのは現在の世代の責任であって、現在の世代が増税という形で多く負担するのは、それ自体はきわめて自然です。
 

本当にレジームチェンジするなら、それこそ旧レジームの債務なんぞどうでも良いでしょ。
後世に旧通貨を残す位なら、文明とその担い手を残すべきでしょうね。
短期の増税で得られる予算には限りがあり、その範囲でしか復興しないのなら、それから溢れた者は勝手に死ねって事ですよ。
自覚が無いんでしょうけど。

ドイツの1919年ベルサイユ条約におけるアメリカへの30億金マルクの賠償が(途中中断をまじえながら)2010年までの92年間かかったのを念頭に置いているのかもしれませんね。
1000年はともかく。

> 直接税を否定して消費税のみでやれと
> 主張しているようにでも読めてしまったので
> しょうか。そのような記述はかけらも
> ないはずですが。
たしかに「消費税のみ」とは積極的に書いてませんがメディア記事紹介によるhamachanさんの投稿では消費税中心のネタが多いです。そこいらで齟齬が生じてしまったかもしれませんね。こちらも早合点してしまいました。しかしながら「りふれ派」「リベサヨ」批判はほぼ同意致しますが、5年前からhamachanさんのブログを拝見させて頂いてます自分がhamachanさんの経済政策を論ずるに当たって議論態度や内容になりますと不明確でやはりブログとしてそろそろ明確な態度を示して頂くと良いと思います。十分影響があるブログなんですから少しだけでも態度を明らかにしてくれると今後において助かります。

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