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2011年8月18日 (木)

大阪府職員基本条例案

新聞でも報道されていますが、

http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819695E3E5E2E3EA8DE3E5E2EAE0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;at=ALL橋下徹氏、公務員改革条例案を府議会などに提出の意向

この条例案、読んでいくとなかなかに面白いのです。

なにしろ、冒頭の「前文」で、いきなりこうかまします。

>わが国の停滞の要因は、社会の変化、特に国際社会の変化に対応できない社会構造にある。とりわけ「民」が求める政策を実現することを阻む硬直化した公務員制度を再構築することが求められている。・・・

>わが国社会の停滞を打破し、「民」主体の社会とするために公務員制度改革を行うことを目指し、本条例を制定する

なんと高邁な条例でしょうか。この高ぶった調子は、第1条(目的)の冒頭にも続きます。

>第1条(目的) この条例は、機能不全に陥っている地方公務員法(・・・)の諸規定を補完して、大阪府(・・・)を担う公務員に関する制度について、前文の趣旨を達成するため、・・・

で、その原則はこうだというのですが、

>第4条(人事の一般原則) 職員の人事は、能力と業績に関する人事評価に基づき、組織の責任者が定めた業務目標を最も効率的かつ効果的に達成することを目的として行い、勤務年数に依拠した年功序列、給与その他の処遇を目的とする処遇本位であってはならない。

なんだか、意余って日本語としてやや意味不明のところもありますが、まあ、年功序列がダメだという意思は伝わってきます。

実をいえば、日本国の国家公務員法も、地方公務員法も、まさにそういう考え方に基づき、GHQのフーバーの指導の下に、職階制の原則の下に制定されたのですが、なにしろ前文が熱狂的に愛好している「民」の労働慣行が、ジョブ型ではなくメンバーシップ型に確立した以上、公務部門だけがそれとかけ離れた形にもなれず、法律の建前とは違った形で「民」間部門の人事労務管理と同じような年功型の姿が維持されてきたわけです。

この条例は、「民」の慣行にもっともっと従えと言っているのか、それとも「民」の慣行とは離れろと言っているのか、「民」の慣行も変えろと言っているのか(さすがに条例でそれはないでしょうが)、今一つ良く理解できないところがあります。

給与原則というところを見ると、

>第15条(給与原則)・・・

2 職員の給与は、同一労働同一賃金の原則に基づき、民間の同一職種または相当する職種と同じ水準の給与とする。

非正規労働運動のみなさん!!

大阪維新の会は、同一労働同一賃金の原則を掲げていますよ!

力強い仲間です!手を握りましょうね!

もっとも、どうやらこの文言からすると、現実の「民」間企業で、同一労働同一賃金の原則が行われていると思いこんでいて、公務員だけがそうじゃないので、「民」に合わせれば自動的に同一労働同一賃金になると考えているようにも見えますが。

マスコミが一番関心を寄せているやに見える剰員の分限免職の規定は以下の通りです。

ここはまことに良くできています。配転の努力も書かれていますし、安易な職種転換はダメだとも書かれている。

>第36条 職制もしくは定数の改廃または予算の減少により過員を生じた職員は免職とすることができる。

 ただし、廃職または過員を生じる原因となった職制もしくは定数の改廃または予算の減少に関して、議会の議決または審議がなくてはならない。

2 免職となる職員の選定に当たっては、被処分者の勤務成績、勤務年数その他の事実に基づき、公正に判断しなくてはならない。

3 任命権者は前項の判断に関し、配置転換が容易である場合は、配置転換の努力を尽くさなければならない。

4 前項の配置転換の努力として、安易な職種転換をしてはならない。職種転換を行う場合には、外部からの採用と同等の競争環境を確保しなければならない

この4はまじめな話、「民」のメンバーシップ型労働法判例法理と真っ向から異なるところです。

労働者に職種を維持する権利はない代わりに、職種転換による雇用維持を求める権利があるというのが、メンバーシップ型判例法理のコアのコアであって、そこを否定しようというのですから、前文の思想とはまったく異なりますが、ジョブ型の労働ルールの一つの在り方として、まじめに議論する値打ちはあると思いますよ。

ただしその場合、もちろん、自分たち「民」はメンバーシップのままでというわけにはいかないはずですが。

あと、いろいろと突っ込みどころはありますが、とりあえずこんなところで。

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