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2011年7月12日 (火)

かもちゃんの拙著書評

古賀茂明氏の話題の本を読んで、なぜか同じところに疑問を持った同志(?)のかもちゃん(hamachanに「さん」や「氏」をつけないように、かもちゃんもそのままにしておきます)が、拙著を読んで書評をアップされています。

http://pu-u-san.at.webry.info/201107/article_30.html

>目次を見てもわかるとおり、労働をめぐる諸問題を取り上げているのだけれど、あまりに項目が多すぎて、正直言って、消化不良に陥った。一つ一つの中身も、かなり濃いというか深いというか、とにかく簡単に消化できないのです。
(新書といっても、岩波だからなぁ・・・・などと書くと、「属性攻撃」と批判されるかもしれないのだけれど。)


それはどちらに対する属性攻撃になるのかよく分かりません(笑)が、いくつかつきあった印象からすると、ある種の人々が目の色変えて崇拝したり糾弾したりするほど変わった会社でもないと思いますけど。

>前者の「メンバーシップ型」であるという点は、日本の「就職」は「就職」ではなく「就社」であるという言い方で昔から言われていたことのように思われ、「メンバーシップ型」という用語はともかくその主張内容は特に新しくはないと思う

そのとおりで、実は前に本ブログにも書きましたが、当初の企画案ではこの序章は入っていなかったのです。もっぱら現代日本の労働問題をいくつかの切り口から論ずるという本の予定だったのですが、岩波書店の編集者が是非これを入れるべきだというので、当初は最後に回そうかという案もあったのですが、冒頭に持ってきたのです。正直言うと、序章は内容的には新しいことは何も言っていないので、玄人が読むと「ああ、あれね」と思われてしまうのでは、という心配もあったのですが、むしろ多くの人がこの部分を目新しく読んでいただいたことが分かり、かえってびっくりしました(まあ、それにしても、池田信夫氏が「メンバーシップ論はオレ様が発見したのだ!」と主張するとは思いませんでした。閑話休題)。

>一方の、組合の機能の議論については、少なくとも自分にとっては新しい話である

それはそうでしょう。第4章はあちこちから批判されているように論理的に破綻しており、ああいう議論を展開している人は私以外には見当たらないはずです。それでもなお、今日の何層にも絡まり合った問題を解きほぐすためには、こういう議論が必要だと思ってあえて打ち出しています。ここで広島電鉄の例を出すか出さないか、最後まで迷ったところでした。

なお、最後の

>本書で若干言及されている労働政策の「三者構成原則」なるものについては、国民主権ないし民主主義との関係をどう考えるべきなのかをかねてから疑問に思っているのです

については、別途いろいろ論じてみていますので、ご参照いただければ、と。

http://homepage3.nifty.com/hamachan/juristtripartism.html(「労働立法と三者構成原則」)

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