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2011年7月20日 (水)

福島第一原発労働者の放射線被曝をめぐって

2011_07 ようやくまだ情報労連のHPにアップされました。ていないようですが

http://www.joho.or.jp/up_report/2011/07/

『情報労連REPORT』7月号に、「原発作業員の安全衛生は守られているのか」を書きました(今月号から電子ブック形式になったようです)。

>今回も前々回同様、世にはびこるトンデモ労働論を斬るのは抑えて、東日本大震災をめぐる労働問題のうち、東京電力福島第一原子力発電所における炉心溶融事故への対処のために奮闘している労働者たちの安全衛生問題を取り上げたい。

 福島第一原発の事故以来、東京電力とその協力企業の労働者が高い放射線量の中で必死に事態の解決に邁進している。その一方で、震災直後の3月14日に電離放射線障害防止規則の特例省令で、緊急作業時の被曝線量の上限を100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに引き上げた。もともと通常時の上限は5年間で100ミリシーベルト、1年間で50ミリシーベルトである。今回のような緊急事態への特例がその作業中100ミリシーベルトとされていたのが、あっさり250ミリシーベルトとなった。その後も経済産業省サイドは、さらなる上限の引き上げを求めていると報じられている。もともと緊急事態を想定していたはずの上限が、現実に緊急事態が起きると次々に書き換えられていくというのは、「想定外」の一言で済まされる問題ではない。

 とりわけ懸念されるのは、これが事故を起こした東京電力や原子力関係者に対する「お前らが悪いからだ」「お前らが責任を取れ」という現在の日本社会を覆いつつある「空気」によって、無限定的に正当化されていってしまうのではないか、ということである。首相自ら東電本社に乗り込んで「撤退などありえない。覚悟を決めて下さい」と檄を飛ばし、誰も疑問を呈さない。原発作業員を診察した医師によれば、自ら被災し、肉親や友人を亡くした作業員たちが、劣悪な労働環境の中で、しかも「『加害会社に勤めている』との負い目を抱え、声を上げられていない」という。

 事故から3か月も経たないうちに、6月3日には、福島原発の作業員2人が引き上げられた被曝線量の上限をも遥かに超える650ミリシーベルト以上の被曝をしたと報じられ、同14日にはさらに6人が250ミリシーベルトを超えたと報じられた。さらにその後の情報によれば、100ミリシーベルトを超える被曝は124人、50ミリシーベルトを超える被曝は412人に達するという。また、いささか空恐ろしいことだが、東電が下請企業を通じて作業員の被曝線量を測定しようとしたところ、69人のほぼ半数については「該当者なし」と回答があり、氏名も連絡先も分からないという事態が明るみに出ている。被曝したまま闇に隠れている人々がかなりの数に上る可能性があるのだ。

 さらに、この250ミリシーベルトという特例はいうまでもなく、通常の上限である5年で100ミリシーベルトですら、そこまでは被曝しても安心という基準ではない。なぜなら、1976年の通達「電離放射線に係る疾病の業務上外の認定基準について」(基発第810号)によれば、白血病を業務上の疾病として労災認定する基準は、「0.5レム(=5ミリシーベルト)×(電離放射線被ばくを受ける業務に従事した年数)」とされている。

実際、今までも100ミリシーベルト前後の被曝量で労災認定された労働者が10人いるという。緊急時にリスクは取らなければならないが、リスクはある確率で現実化していく。その「覚悟」はあるのだろうか。

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コメント

事実関係を確認できないでおりますが、現地で働く方は、正社員も含め、現地の方が多い由。
郷土愛も加わって、自己犠牲に走っていないか、また、十分な情報を得て危険に直面しているのか、本当に心配です。
ぜひ、厚生労働省は、労働者の立場にたって安全基準を順守させてほしいし、労組も、原発の是非などという高邁な話の前に、目の前の労働者の生命・健康の安全に連帯して取り組んでほしいものです。

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