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2011年7月14日 (木)

非国民通信さんの冷静な議論

こういう時期だからこそ、こういう議論が必要だと思います。この間ずっと、流行的反原発論に疑義を呈し続けてきた非国民通信さんのエントリから、

http://blog.goo.ne.jp/rebellion_2006/(光は失われるばかりなのだろうか)

>節電に励むと言えば世間のウケは悪くないのかも知れませんが、そこで負担を負わされているのは従業員だということは、もうちょっと意識されて欲しいところです。

これは、先日の労働科学研究所のシンポジウムで五十嵐仁さんのご質問に答えた中で述べたことでもあり、また某新聞社の記者の方に申し上げたことでもありますが、節電で新しい働き方の機会が生まれるという風な美しい話の裏側で、より弱い立場の労働者にしわ寄せが行くという側面を忘れるべきではないでしょう。

>残念なことに福島の原発事故以降、かつて左派として振る舞っていた人の多くは労働者のことを考えるのを止めたかに見えます。それもまた流行というものなのでしょうけれど、反原発論の盛り上がりの中で、原発を罵り恐怖を煽り立てる姿勢の強弱が競われるような有様です。電力不足の煽りを受けて生活に不自由する弱者は元より(健常者には過剰に見える明るさや便利さも、障害を抱えている人にはどうでしょうか)、深夜や休日の労働に駆り立てられたり失業の危機にされされる労働者について、かつて左派として振る舞っていた人の大半は黙して語ろうとしません。経済的な苦境のために自ら死を選ぶ人が万を数えるにも関わらず、雇用=経済のことを慮るのは原発事故の被災者を軽視することであるかのごとく扱う人の声も日に日に猛々しさを増すばかりです。結局のところ一口に「左派」と言っても必ずしも労働の問題に関心が高いとは限らない、ただ左派コミュニティ内部での流行を追いかけているだけの人も多かったのでしょう

とりわけ、次の一節は、こういう時期であるからこそ読まれるべき内容でしょう。

>電力会社社員を犯罪者のごとく罵る人々もいます。まぁ、今までの公務員叩きと構造は一緒で橋下辺りの言う「公務員」「職員」を「電力会社社員」に置き換えただけみたいなところもあって進歩がないなと思ったりもしますけれど、公務員叩きの不合理を指摘する人に比べて電力会社社員への誹謗中傷を批判的に見る人がどれだけいるでしょうか。もしくは、犯罪加害者にも守られるべき人権はあると訴えてきた人の中で、いったいどれだけの人が電力会社社員にも労働者としての権利はあると語れるでしょうか。公務員なり犯罪加害者なりJAL社員なり「嫌われ者」に対するバッシングには異議を唱えてきた人でも、電力会社社員に関してはどうやら見捨てようとしているようです。安易に人員整理や労働条件の不利益変更、年金受給額の削減を認める前例を作ってしまうことは労働者全体にも大いなる不利益をもたらすこととなるわけですが、今や左派も労働者のことを考えるのを止めているとしたら救いはありません

ソ連にせよ中国にせよ、あるいは日本の局部的な世界にせよ、社会主義の歴史なんかを読んでいくと、どう見ても労働者に苦痛を与えるようなことどもが「左翼的」と称して振り回されているという現象が繰り返されていて、読んでいて嫌になりますが、まあ、そういうことなんでしょう。

労働者がまっとうに働き、まっとうに生活できることよりももっと大事なことがあるという信念を持つこと自体は否定しませんが、労働者がそのような意見に同調しなければならないいわれもないのでしょう。

このあたり、かつてわたくしが赤木智弘氏のいう「このような左派的なものに自分の主張をすりあわせてきました」というリストについて、「をいをい、「労働者の立場を尊重する」ってのは、どこか遠くの「労働者」さんという人のことで、自分のことじゃなかったのかよ」と評したことに通じるものがあるように思われます。

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