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2011年7月29日 (金)

ノンエリート大学生をめぐる認識ギャップ

“ワカモノ”じゃない『若者の労働運動』や『働くときの完全装備』の橋口昌治から、雑誌『職場の人権』71号をお送りいただきました。

これには、居神浩さんの「最低の就職内定率の中で、ノンエリート大学生問題を考える」という報告と、それに対する橋口さんのコメント、そして会場との質疑応答が収録されています。

居神さんの報告は、本ブログでも過去何回か取り上げてきた論文などとかなり重なりますので、ここでは、後ろの方の質疑応答から、これだけ居神さんが口を酸っぱくして語っても、その「ノンエリート」ぶりが理解されていない認識ギャップが浮き彫りになっているやりとりを・・・。

>質問4 ・・・先生が勤めておられる神戸国際大学で、経済学部の学生さんだったら日経新聞を読むとか、あるいはその経済原論で、具体的に誰のどんな教材を使っているのか、教えていただければと思います。

>居神さん ・・・まずは新聞のことですが、学生に「家で新聞を取っている?」と聞くと、「とっていない」と答える学生がすごく多いですよね。・・・まずは図書館に連れて行って、新聞というのはこういうのがあるんだと。これが朝日新聞、これが毎日新聞、これが読売新聞、そしてちょっと難しい日経新聞というのがあるよと。まずここからスタートなんです。

本でもそうです。新書と文庫の区別がついていませんから、新潮文庫、岩波文庫といわれてもなかなか分からないので、とりあえず文庫本のコーナーに連れて行く。・・・

そうすると、経済原論がどのような形になるかはかなり察しがつくかと思いますけど、ちょっと前は「経済学入門」というふうに言っていました。もう「学」はとりました。体系的なマクロ・ミクロなんていうのは外して、まさに新聞に出てくる経済用語を理解したらいいねということです。マクロ経済学、ミクロ経済学という講義は当然あるんです。経済学部ですから。今年、私もミクロ経済学を担当しました。いかに数学を使わないでミクロ経済学をやるか、足し算、引き算、かけ算、割り算でできるミクロ経済学をやる。これはなかなかしんどいんですけれども、需要曲線、供給曲線が出てこないミクロ経済学をやるという、これはまさに大学教員のスキルが問われるところです。・・・

そして、このコピペ問題のギャップ

>質問5 ・・・例えば、学生がウェブサイトの文章をコピーアンドペーストして書いた論文を見抜けない教員がいると言った話を聞いたことがあります。・・・

> それからコピペ問題。これはおそらく、大学の偏差値を問わず、コピペ問題はすべての大学で直面している問題かと思います。いかにコピペをさせないかというふうなところでの教育力が問われているんですが、我々の大学で問題になっているのは、コピペができない。レポートを書かせた場合、どこをコピペしていいかよく分からないということですね。コピペすらできないというレベルに達していますので、・・・

こういう認識があって初めて、

>その中であえて優先順位をつけるとすると、「職場の人権」研究会でこういうことを言うのも何ですが、労働法と社会保障は、優先順位が今のところは落ちてしまう。まず基礎学力からやっていかないと、なかなか労働法のところまで到達しないということなんです。

という言葉の重みが沁みてきます。

あと、居神さんの大学から殿堂入りブラック企業に就職する学生がたくさんいたこととの対比で、

>実はこのパチンコ店の従業員のキャリアというのは、高卒、あるいは大学中退でフリーターになった学生にとっては決して悪くない、つまり、決してブラックではなくて比較的良好な、グッドジョブなんですね。

という認識も、言われてみないとなかなか分からないところです。

(参考)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/post-a5af.html(「マージナル大学」の社会的意義)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/post-9581.html(「大学がマージナルを抱えている」のが「マージナル大学」となる理由)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/post-587d.html(金子良事さんの理解と誤解)

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コメント

hamachanのブログからは、せめて大学名を隠してあげてくれませんか。学生の立場からすれば、ネットで積極的に晒されたい話ではないと思います。接した一部の学生の表面を取り上げて取扱う。しかし学生は一人ひとり違います。学生の多様化は大きく進んでいることがあまりわからないのだろう。そもそも新入生で下らん新聞なんか読まなくても、全然構わないでしょう。「経済学」を勉強する資格がない訳ない。経済学部に偶然入ってきた新入生でいい。彼らに「経済学」の魅力を教えることを放棄している教授って何なのだろうか。彼らに自分の言葉で経済学の面白さに少しでも語りかけるには努力が必要とは思いますよ。しかしそれが彼らから金をもらうプロの教授の仕事のはず。マージナルとか、画一的・序列的な発想から抜け出せないんだろうけど。「基礎学力は大切」ですが、そんなメッセージは、本当に馬鹿げている。

そうでしょうか。
それこそ、あえて問題提起している居神さんに対して、失礼極まる扱いではないかとも思われますが。
ブログ上だけが公然であって、学術雑誌上の論文は公然ではないわけではありません。
あるいは、(これも上記報告で引用されている)偏差値40云々というタイトルの本の著者肩書きから大学名を削除すればいいというわけでもありますまい。

居神さんのメッセージ自体に対して異論があるならば是非書いてください。公開されている情報を隠蔽せよと言うのではなく。

新聞云々については、今の世代はもう紙新聞は読まないのです。
ニュースは大体ネットで見れますから、多少情報の量質が落ちたとしても、わざわざ別枠で新聞取って、というのはあまりないと思います。
それは一律に悪と断じれるものではなく、時代の変化ではないかと思います。居神さんの書き方も軽率で、若者フォビアに利用されやすい書き方です。

>mithrandirさん

>新聞云々については、今の世代はもう紙新聞は読まないのです。
それ以前に「新聞を知らない」学生が実際にいるのだ、という趣旨でしょ? もしも彼らがネットでニュースを読んでるなら、レポート書く時にコピペぐらいするでしょうよ(笑)

>居神さんの書き方も軽率で、
実体験に基づくエピソードを抑制的に語っているという点で、むしろ研究者としての良心さえ垣間見られると思うのですが…。

これは一部の極端な例ではないでしょうか?と言いますか、そういうことであってほしいです。

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