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2011年7月 8日 (金)

「法と配慮板挟み」って、誰に対する配慮?

読売の記事ですが、

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110708-OYT1T00145.htm(残業代カット相次ぐ被災自治体…法と配慮板挟み)

>東日本大震災の被災自治体で、復旧の最前線で働く職員の超過勤務手当の減額や支給見合わせが相次いでいる。

 打ち切りにしたり、休日に振り替えたりして額を抑える。被災住民への配慮が背景にあるが、職員組合から反発も。総務省は「被災した市町村も勤務実態にのっとった支給を」とし、識者は「未曽有の震災で手当のあり方の検討が必要」と指摘している。

 岩手県釜石市は職員340人の3月の超勤手当が1億4000万円に上る。昨年同月の25倍で、野田武則市長は「被災者に配慮すると全額支給は難しい」と判断。1日の上限が4200円の「宿日直手当」に置き換えて支給した。額は10分の1になり、職員組合は「家族も捜さずに働いた職員もいるのに、一方的でおかしい」と反発。労使が交渉を続ける事態となっている。

 同県大船渡市は手当が1億円を超え、職員組合と協議し、額に応じて休日を与えることにした。「過酷な勤務で休暇が必要」と職員側も了承。ある職員は「法律上の問題は承知しているが、手当をすべてもらうことはできない」と話した

いうまでもなく、地方公務員にも労働基準法は(36協定など一部を除き)そのまま適用されていますから、「法と配慮板挟み」といっても、労働基準法違反であることが治癒されるわけではありません。

というか、ここでいう「配慮」って、誰に対する配慮なんでしょうか。

住民を公務サービスの顧客と考えれば、民間企業がお客様への配慮から労働基準法に違反いたします、といって許されるかというと、許されないでしょうし、

住民を公務サービスの出資者たる納税者と考えれば、民間企業が株主様への配慮から労働基準法に違反いたしますというのはますます許されないでしょう。

まあしかし、そういうのは現代日本の常識でもなさそうです。

このあたりが、まさに被災地で地方公務員をされているマシナリさんが、

http://sonicbrew.blog55.fc2.com/blog-entry-365.html

>コームインが働く役所は「ブラック企業」である

といわれる所以なのでありましょうか。

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コメント

なぜマスコミさんははっきりと「労働基準法違反です!」って書いてくれないんでしょうね。

配慮しなければならないから法の無視はしゃーないと、いうことでしょうか。人件費も当然、災害対策費用のはずです。

コンプライアンス、コンプライアンス、と叫ぶ割には労働法に関するコンプライアンスは無視のようで。

これが民間企業ならば労働基準監督署が乗り出すところなんでしょうけど、乗り出してくれる機関が事実上ありませんから、ほんと、役所はブラック企業ですよ。

災害とは直接関係ありませんが、かつてある某小規模村長は、職員が夏休みとか有給休暇を取得したら、それが病気のためであっても職員のボーナスを減らしていましたとさ(実話)。

引用していただいたのは2年近く前のエントリではありますが、地方公務員の労務管理を取り巻く状況は震災後であってもあまり変わっていないようです。避難所の運営に当たった役場の職員に残業代を支給すれば、同じ避難所でボランティアで運営に当たっていた地元町内会の役員(本来の仕事ができなくなって無収入となった方も多数います)とのバランスが悪くなるという「配慮」もあるのかもしれません。

ただ、読売新聞の記事で気になったのが、岩手・宮城・福島の各県庁は全額支給としておりますが、私の見聞きした範囲では、震災対応分の残業だけは国が特別交付税で措置すれば全額支給できるかも?くらいの趣旨ではないかと思います。通常の超過勤務手当には元々予算上のキャップがあって(地方公務員の世界ではその割合は暗黙の了解ですが)、そちらはいくら残業しても全額支給にはならないはずです。

このような予算上のキャップを考えると、岩手・宮城・福島の各県庁でも実態は違うのだろうと思います。常識的に考えて、法定労働時間内にだけ通常業務を行って、時間外にだけ震災対応業務を行うなんてことができるはずがありません。

というより、そのような勤務が「震災対応分の超過勤務」と定義されるべきかどうかも怪しいところです。通常の業務と震災対応の業務とをきれいに腑分けできない以上、トータルの労働時間が同じでも、それぞれの業務を行った時間帯によって超勤支給の可否が変わるという理屈でもって、「震災対応だけ全額支給」というのであれば、それ自体がそもそもおかしな話です。

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