有森美木さんの遺著『世界の年金改革』
故有森美木さんの遺著『世界の年金改革』(第一法規)を、ご母堂よりお送りいただきました。わたくしのような者にまでお送りいただきありがとうございます。
http://www.daiichihoki.co.jp/dh/product/027227.html
1990年代〜2000年代にかけての世界の年金の大変革期をフォロー。欧米からアジアまで世界の年金制度を検討・評価し、日本の年金制度を考える。
第1部 世界の年金改革とその評価
第2部 社会保障年金への確定拠出個人勘定導入
第3部 ドイツの年金改革
第4部 イギリスの年金改革
第5部 東アジアの年金制度
第6部 年金経済学入門
第7部 年金制度の法的論点
有森さんは、慶應義塾大学大学院経済学研究科修士課程卒業後、日興フィナンシャルインテリジェンス年金研究所で研究員として活躍しながら、筑波大学大学院ビジネス科学研究科企業法コース博士課程で博士論文の執筆を続け、その完成を目前にして、昨年7月7日、七夕の日に心臓病で倒れ、永眠されました。
本書は、有森さんのご母堂のご希望で、指導教授であった江口隆裕さんが多くの論文から選んだまとめたものです。先進国だけでなく、東アジアの年金制度や、年金の経済学(これは正直よく理解できませんが・・)や年金関係の判例解説まで、広く収録されています。
わたくしは、有森さんとは、連合総研の年金の研究会でご一緒したという関係です。この研究会の成果は、この報告書にまとめられており、
http://rengo-soken.or.jp/report_db/file/1221635157_a.pdf
有森さんは第2章の「ドイツの年金改革」を執筆されています。
また、有森さんが企画しながら、実現を見ずに亡くなられたた昨年11月のシンポジウム「非正規雇用と年金制度」には、パネリストとして出席させていただきました。
http://www.nensoken.or.jp/gakkai/2010sympo/
是非多くの方々に読まれることにより、有森さんの思いが人々に伝わることを願います。
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有森さんが所属されていた筑波大学労働判例研究会に参加させて頂いております。企業年金関係の判例研究時に、専門外の私が思いつき的な発言をしても、有森さんは終始、暖かく議論に応じていただいたのが、懐かしく思い出されます。
これから有森さんの遺著「世界の年金改革」をじっくりと読み進めたいと思います。有森さんの書籍をご紹介いただきありがとうございました。
投稿: 北岡大介 | 2011年6月17日 (金) 18時16分