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« 震災復興と人材ビジネス | トップページ | 原発が偽装請負じゃなくて正しい請負だったらもっと大変なことに »

2011年6月14日 (火)

予告監督

Yd_toukei1 「ビジネスメディア誠」から、今度は東洋経済のおなじみ記者風間直樹さんの講演。

http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1106/14/news007.html

まあ、内容は先日の『東洋経済』の記事とほぼ同じなのですが、多分今まであまり書かれなかった、しかし結構重要なポイントが指摘されています。

>東電が行っていることは偽装請負に該当するわけだが、なぜこのことが問題視されなかったのだろうか。その理由の1つに、行政が摘発できなかったことが挙げられる。関係者に聞いたところ「労働基準監督署(労基署)が現場作業をしているところに入る場合、抜き打ち検査を行うのが当たり前だ」という。労基署の検査は厳しくて、突然やって来て、書類を確認し、労働者を集めて話を聞いたりする。なぜ抜き打ちをするかというと、会社が都合の悪いものを隠してしまうから。

 しかし原発の中は危険なので、予告監督せざるを得ない。管理者の指示に従いながら、検査しなければいけないのだ。このように“手入れ”がしにくい職場なので、長年、不正が隠されてきたのだ。

正確に言うと、偽装請負かどうかは職安法、派遣法の問題であり、労働基準監督署の所管ではありません。また、労働者保護の観点からすれば、偽装請負か正しい請負かどうかが問題なのではなく、きちんとした安全衛生措置、労災防止措置が講じられているかどうか、が問題です。

しかし、抜き打ち監督できないことは、本来の労働基準法、安全衛生法関係についても極めて重大な欠落をもたらします。

予告監督しかできないということは、予告通り監督官が来たときには、ちゃんと設備や書類が揃っているということです。

建設現場のように、ある日いきなり監督官がやってきて、あれを見せろ、これはどうなってる、と締め上げることはあり得ないということです。

かつての鉱山とは異なり、原発は労働安全衛生法の適用除外ではありませんが、にもかかわらず事実上監督権限が及びにくい状況になっていたこと自体について、改めて再検討する必要があるのかも知れません。

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コメント

濱口先生、ご紹介ありがとうございます。確かに偽装請負と労基署は関係ありませんよね。説明たらずで失礼致しました。当日の発言意図はご指摘の通りです。先の弊誌記事でも触れましたが、「原発作業のような危険業務を多重下請けという形態で担うことができるのか」という点が問題意識です。

いろんな雑音の中で、貴重な記事を書き続けておられる風間さんの存在はとても重要だと考えています。

原発のような放射線業務は、アスベストと同様、時間が経ってからじわじわと発症してくるものなので、どんな雇用形態であろうが、長期的に安全衛生責任を追いかけられるようにしておくことが重要なのだろうと思います。

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