要員確保、熱中症予防…福島原発、夏を前にあの手この手
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110613/dst11061308030002-n1.htm
>夏を控え、福島第1原発事故対応に当たる要員の確保や健康管理が重要性を増している。大量被ばくや作業中の死亡も発生する中、政府も関与して対策を講じ始めた。
5月末、厚生労働省の金子順一労働基準局長が経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭院長を訪ね、作業員養成を訴えた。「停止した浜岡原発で働いていた技術者に福島に来てもらえないか。OBの再雇用やボイラー技士の活用は可能か」。経産省の領域にも踏み込む異例の提言だった。
厚労省は3月、今回の緊急作業に限って作業員の被ばく線量限度を100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに引き上げた。労働力確保に、もう上限を引き上げるカードは切れない。局長の言葉は、労働者を増やし対応すべきだとの意思表示だった。「経産省は上限を緩めることばかり考える」。厚労省幹部は口をとがらせる。
それはもちろん、産業振興を至上目的とする経済産業省が「上限を緩めることばかり考える」のは当然なのでしょうが、問題は国全体の政策がそれ中心で進められていっていいのか、ということでしょう。産業発展には(短期的には)ブレーキになる可能性のある労働者保護をどこまで大事にできるかは、(あまり好きな言葉ではありませんが)国家の品格に関わる問題でしょうね。
>6月、作業員が大量の内部被ばくで250ミリシーベルトを超えたことが分かった。安斎育郎立命館大名誉教授(放射線防護学)は「工程表通りに作業せよとの要請があり、労働実態は深刻なのだろうが、健康管理を後回しにしてはならない」と話す。
個人配備の線量計と毎日の記録で比較的容易に把握できる外部被ばくと違い、内部被ばくは線量確定に時間がかかる。東電は測定に必要なホールボディーカウンターという装置を増設。線量を確定する計算法も、より簡便なものに改良した。
熱中症対策では、7月にかけ敷地内の休憩所を増やす。厚労省労働衛生課によると「予防は水分と塩分をまめにとるのが重要」。だが、うかつに防護マスクを外して補給すると、放射性物質も取り込んでしまう。1時間に1回の休憩など、対策を元請けとなっている日立や東芝などにも呼び掛けているという。
5月14日朝、作業員が心筋梗塞で死亡した際には、敷地内に医師がいなかったことが発覚。産業医大や労災病院からの応援で24時間の診療態勢を築くきっかけとなった。新たに作ったチェックリストで、作業の長期化に伴い発生が懸念される精神面の不調を見抜く試みも始めるという。
なるほど、
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/post-fb6c.html(福島第一原発で常時医師を配置する体制が整いました)
というのは、あの作業員の死亡がきっかけになったのですね。
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