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2011年6月 3日 (金)

『社会保障と福祉国家のゆくえ』ナカニシヤ出版

32594961 水島治郎さんより、齋藤純一・宮本太郎・近藤康史編『社会保障と福祉国家のゆくえ』(ナカニシヤ出版)をお送りいただきました。ありがとうございます。水島さんはこの中の「ワーク・ライフ・バランス」の章を書かれていますが、まずその前に、本書の全体像を。

http://www.nakanishiya.co.jp/modules/myalbum/photo.php?lid=754

>社会保障の理念と歴史、理論から、財政、年金、雇用、住宅、医療、若者など、各政策分野ごとの現状と課題をトータルに解説。社会保障・福祉国家について考えるための格好のガイドブック。

目次は次の通りです。

序―福祉国家・社会保障の構想力(編者)
    一 福祉国家・社会保障の新たな段階
    二 共通の経験としての福祉国家・社会保障
    三 福祉国家・社会保障を支える理念
    四 本書の構成と各章の内容

第I部 福祉国家・社会保障の理念と現在

 1.社会保障の理念をめぐって―それぞれの生き方の尊重(齋藤純一)
    一 社会保障の目的
    二 相互尊重という要請
    三 社会的協働への参加
    四 生の尊重のための基本構想
 2.社会的なものの歴史(田中拓道)
    一 「社会的なもの」の比較思想史
    二 「社会」概念史の理念型
    三 近代市民社会の形成
    四 「社会」の発見
    五 未完の理念
 3.ヨーロッパ福祉国家の現在とゆくえ―連帯の多様性と再編(近藤康史)
    一 ヨーロッパ福祉国家の多様性と連帯
    二 ヨーロッパ福祉国家の類型
    三 福祉国家への変容圧力
    四 福祉国家の再編と連帯の再生
    五 多様性を内包した収斂
 4.日本型福祉レジーム論をめぐる対話(新川敏光)
    一 レジーム分析の論理
    二 対抗研究との対話
    三 日本型福祉レジーム
 5.アメリカ福祉国家の理念的展開―貧困対策における「コミュニティ」の位相
   (坂部真理)
    一 貧困対策と「コミュニティ」
    二 六〇年代の貧困対策?――コミュニティ・アクション・プログラム
    三 六〇年代の貧困対策?――二つの最低所得保障構想
    四 九六年福祉改革――「州の実験」の解放と「参加」の変容
    五 「コミュニティ」概念の変容――自律した個人の集合体へ

第II部 福祉国家・社会保障の制度と展望

 6.社会保障の再編構想と新しい争点(宮本太郎)
    一 二〇世紀型福祉国家とその解体
    二 雇用と社会保障をどうつなぎなおすか
    三 家族とコミュニティをどうつなぎなおすか
    四 二つの政治の連関
 7.福祉国家財政の基本理念と構想(井手英策)
    一 福祉国家の財政を支える原理は何か
    二 どのように福祉国家は正当性を確保するのか
    三 社会保障財源について考える
    四 増税可能な国家財政の構想
 8.年金制度改革―先進国の経験と民主党案の評価(駒村康平)
    一 年金改革の潮流
    二 先進諸国の年金改革の展望
    三 日本への示唆と民主党案の課題
    四 大型リフォーム案
 9.ワーク・ライフ・バランス―「健康で豊かな生活のための時間」を目指して
   (水島治郎)
    一 ワーク・ライフ・バランスへの関心の高まり
    二 日本におけるワーク・ライフ・バランスの現実
    三 ヨーロッパ/オランダにおけるワーク・ライフ・バランス政策
    四 「時間主権」を目指して
 10.社会的排除からみた若者の現在―日本の福祉国家が抱える三つのジレンマ
   (樋口明彦)
    一 大人というゴールの揺らぎ
    二 不適応と社会的排除のはざまに立つ若者
    三 若者の社会的排除という問題設定の難しさ
    四 若者の社会的包摂への見取り図
 11.「ホームの喪失」と福祉国家―「住宅保障」を介した社会的包摂への途
   (岩田正美)
    一 「ホームの喪失」の多様な広がり
    二 「ホームの喪失」と社会統合の手法
    三 路上生活者とネットカフェ生活者の「ホーム喪失」
    四 国勢調査にみるホーム以外の場所に住む人々
    五 「ホームの喪失」から社会的包摂へ
    六 住宅保障の位置
 12.医療保障の現状と改革(福田素生)
    一 医療保障制度の発展と医療費の増大
    二 医療保障制度の類型
    三 医療を保障する財政の仕組み
    四 医療供給体制の整備
    五 今後の方向

どの章も重要なことが書いてありますし、特に新川さんの福祉レジーム論についてはコメントしたいこともありますが、ここではお送りいただいた水島治郎さんの論文について。

水島さんは、日本ではワークライフバランス政策のターゲットのうち、長時間労働を強いられる(男性)正社員についても、非正規労働者についても、ほとんど効果を上げておらず、せいぜい出産・育児を迎える(女性)正社員だけだとし、その原因を多様な働き方が自発的な選択ではないことを指摘し、欧州特にオランダの例を挙げて、長時間労働規制と非正規労働者の待遇改善の必要性を説いています。

わたくしの本や文章なども引用していただいていまして、こういう議論が広まる一歩になってもらえればいいな、と思いました。

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