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宮本太郎編『政治の発見2 働く』

宮本太郎責任編集『政治の発見2 働く 雇用と社会保障の政治学』(風行社)をお送りいただきました。ありがとうございます。

このシリーズ、

http://www.fuko.co.jp/catalog/ShinYokoku_hakken.html#1kai

生きる、働く、支える、つながる、語る、伝える、守る、超える・・・

こういう全巻構成で、

>私たちが暮らしのなかでふと感じる疑問を出発点として、それについてあらためて考えようとするとき、政治学の議論がどのような手がかりを提供しうるかを重視している。これまで素通りしてきた言葉や所与とみなされてきた仕組みを問い返してみることによって、生きる場の問いかけと思想や理論をつなぐことをこのシリーズは心がけた

ということだそうです。

本巻の「働く」は、まだここに出ていませんが、次のような論文が載っています。

繋がり支え合って働ける社会を目指して  篠田徹

労働と連帯・・・商品化/脱商品化をめぐって  田中拓道

社会的企業とワークインテグレーション  坂井浩介

働くことの政治学  宮本太郎

「多様な資本主義」と政治/福祉/労働  西岡晋

スウェーデンの労働/福祉/労働  渡辺博明

統一ドイツの雇用と社会保障  近藤正基

家族を支える福祉国家  千田航

テクノクラシーは社会的ヨーロッパの夢を見るか  網谷龍介

さて、この中でやはりわたくし的に一番紹介したいのは最後の網谷さんの、別にアンドロイドでも電機羊でもないけれども気になる題名の論文ですね。

ここで網谷さんが追いかけている領域は、EUの社会政策という、まさにわたくしのペットフィールドで、しかも社会政策の動向を政治的アクターとともに労使など社会的アクター、さらには専門家ネットワークや欧州司法裁判所の動きを追いかけながら見ていくというスタイルでまとめているので、大変興味をそそられますし、

>第一に、現在のEUが、加盟国の社会の多様性のみならず、個人のライフコースの多様化に対応するために、個人の権利を中心とする「市民権」的社会政策を志向しているということである。そして第二に、その方向性は一定の専門家集団の支持を受けているものの、十分な社会的支持基盤を持っているとはいいがたく、やや極端に言えば、「デモクラシー」と「社会的なもの」が乖離しているということである。

というその結論にも、いろいろと考えるところがあります。

あと、篠田徹さんの論文の中で、川喜多喬さんが1973年に書いたプルードン論なんてものが出てきたのには、びっくりしました。

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コメント

いつもご紹介くださりありがとうございます.
学術書ではないとのことだったので,分析の実体部分はこれまで書いたもののダイジェスト版に近い内容ですが,引用していただいた一節を含む箇所で,多少風呂敷を広げた憶測を加えております.まだまだ精密に考えなければならないトピックなので,ご批判等うかがえれば幸いです.

投稿: amiya | 2011年6月 8日 (水) 02時22分

このあたりについては、おそらく文献リストに挙げられている

>網谷龍介 2011 「集団主義秩序と個人的権利-EU社会政策の二つの顔とその相克」田村哲樹・堀江崇史『模索する政治-リベラル・デモクラシーと福祉国家のゆくえ』ナカニシヤ出版(近刊)


という論文で詳しく突っ込んで議論されているのでしょうね。近刊ということなので、出されたら是非じっくり読ませていただこうと思っております。

投稿: hamachan | 2011年6月 8日 (水) 15時28分

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