3週間に120時間の時間外労働
5月31日に開かれた「第6回精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」の資料がアップされていますが、
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001dirj.html
その「論点」を見ていくと、
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001dirj-att/2r9852000001divc.pdf
「労働時間数と精神障害の発症との関係について」というところに、
>労働時間数と精神障害の発症との関係を、具体的に例示することはできないか
とあって、その具体的な数字が、
>発症直前の3週間に120時間程度の時間外労働が認められる場合には、臨床経験上、労働時間の程度のみを要件として強い心理的負荷の存在を肯定するものとして現行判断基準が示している「極度の長時間労働」に該当する。(2週間で80時間の時間外労働が認められる場合は、時間数のみではこれに該当しない)
などと書かれています。3週間で120時間ということは、1日当たり平均して8時間の時間外労働、所定の8時間と併せると、1日平均16時間労働ということですね。いうまでもなくこれは精神障害の労災認定基準の議論であり、そこまで時間外労働をやらせても問題ないというような次元の話ではないことは、労働関係者であれば良く分かっていることではありますが、それにしても、この数字が一人歩きすると、なかなか怖いかも知れません。
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質問です。
過労死認定ラインが「1月100時間」ときいたことがあります。
「3週間で120時間」というのは、それよりずいぶん厳しい基準ですよね。
うつ病の労災認定ラインが過労死の認定ラインより厳しいのって、おかしいような気がするんですが。。。
それとも、本当は別におかしくないのでしょうか。
その数字の意味するところをよく理解すれば、これらの基準の整合性は確認できるものなのでしょうか。
投稿: まるみと | 2011年6月 2日 (木) 22時55分
やや誤解を招く書き方だったかも知れませんが、そもそも脳・心疾患と違って、精神障害の場合、長時間労働したからうつになったというようなリニアな関係が必ずしもあるわけでもなく、さまざまな要因が作用して発症するという考え方が前提にあった上で、その一つの要素としての長時間労働について数字的な基準を考えようということなのだろうと思います。
だから、当然精神的なものすごいプレッシャーが認定されれば、そんな長時間労働がなくたって認定はされうるわけだし、逆に3週間120時間働いたからといって、うつになるわけでもない(その前に倒れるかも知れませんが)わけで、だから、そういう全体の仕組み抜きに数字だけ一人歩きするとまずいだろうな、と感じたわけです。
投稿: hamachan | 2011年6月 3日 (金) 08時45分
なるほどー。ありがとうございました!
投稿: まるみと | 2011年6月 4日 (土) 13時32分