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原発が偽装請負じゃなくて正しい請負だったらもっと大変なことに

先のエントリのうち、

>>東電が行っていることは偽装請負に該当するわけだが

>労働者保護の観点からすれば、偽装請負か正しい請負かどうかが問題なのではなく、きちんとした安全衛生措置、労災防止措置が講じられているかどうか、が問題です。

について、若干の追加説明をしておきます。

職安法、派遣法的観点からは、正しい請負とは、東電が「協力会社」の労働者に対して、一切指揮監督に当たるような行為をしないことであり、「偽装請負」とは、東電が「協力会社」の労働者に対しても、指揮監督に当たるような行為をすることです。

電離放射線が飛び交う原発の中で、東電は一時下請の労働者に一切指揮監督をせず、一時下請は二次下請の労働者に一切指揮監督をせず・・・というような空恐ろしいことが、職安法、派遣法上からは正しいこととされてしまうという仕組み自体に問題が孕まれていると、私はむしろ思います。

原発よりは危険性が少ないはずの建設現場については、労働安全衛生法で元請が包括的に安全衛生責任を負う仕組みが設けられていますし、近年の改正で製造業の構内請負についても一定の仕組みが設けられています。

安全衛生上の指揮命令とそれ以外の指揮命令が判然と峻別できるわけではないと思いますし、とりわけ危険な現場であればあるほど、すべての指揮命令は安全に関わる指揮命令でしょう。

労働者保護という観点から重要なことは、全体の安全管理に責任を有する元請が、きちんと何次下請の労働者までも面倒を見きることであって、「偽装請負だからけしからん」と言うような議論は、下手をするとむしろ逆効果になりかねない、という危惧を抱いています。

(参考)

http://homepage3.nifty.com/hamachan/gakkaishi114.html(請負・労働者供給・労働者派遣の再検討(『日本労働法学会誌』114号))

残念ながら、日本の労働法学者の中には、こういう問題に真剣に向き合おうとする方はあまりいないのですが。

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